元不良見習いの奮闘記







































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第12章 表舞台の道
よくわからない
高松「・・・」
白村「かんぼう。」
高松「あ、え。」
白村「またぼーとしてたぞ。」
高松「す、すまん。」
白村「大将に怒られるぞ。」
高松「それは、やだ。今作る。」
白村「早くしろよ。」
高松「へい。」
角田「かんぼう、だし巻き作れるか?」
高松「今作る。」
ーーーー
次の日
高松「・・・」
亀川「高松君、出番だよ。」
高松「え、あ、い、今行く。」
亀川「まずは、こういうポーズね。」
高松「はい。」
亀川「4回くらい撮ってよかったら、違う衣装に着替えね。」
高松「はいはい。」
〜〜〜〜
高松「はぁ〜、疲れた。」
河川敷で黄昏ている。
色々と考えているのか、疲れている。
高松「・・・」
小学生の時は、人並みに友達がいた。
だけど、中学に上がって親父が忙しくなって、お袋が変になってから友達がいなくなった。
そのせいなのか、殴り合っていた。
覚えてないくらい殴って、ほぼ毎日喧嘩をしていた。
そうしたら、高校生にも目をつけられて、高校生とも喧嘩をしていた。
それからタバコを吸うようになった。
ずっと孤独だった。
だが、高校に上がると丸岡といるようになって、大将に拾われて、両さんに救われて、乃木坂と欅坂、ひらがなけやきとも話すようになって、今はモデルをやっている。
よくわからない。
お袋が犯罪者で、タトゥーも入れて、だらしない俺をそこまでして手を差し伸ばしてくれる理由がわからない。
高松「・・・」
今の生活に満足していないが、これでいいと思っている自分もいる。
だが、この生活が続くことも怖いと思っている。
いつ壊れてもおかしくない。
高松「俺に何があるんだよ・・・」
俺には、何もない。
だって、そうだろ?
犯罪紛いなこともしたし、タバコも吸って、両さんに手を挙げて、星野さんにも暴言を吐いて、いい部分なんてないはずなのに。
そこまでして、俺に可能性を感じるって言うんだよ。
高松「可能性なんてない。」
そうだ、俺に可能性なんてない。
俺は、親父やお袋みたいなろくでもない人間だ。
そうだ、俺はボンクラだ。
俺は、ボンクラ。
俺は、何もない人間で犯罪者だ。
ーーーー
次の日
パリィン!
角田「お、おい?!かんぼう!!」
白村「どうした?!」
角田「ひ、ヒデさん!かんぼうが!!」
白村「か、かんぼうが?・・・え?!」
そこにいた高松は、洗い場の前で力無く跪き、目が死んでいた。

■筆者メッセージ
次に行こうと思います。
満腹定食 ( 2021/11/01(月) 09:27 )