高松「講師さん、少し時間貰えますか？」
「いいわよ。私もちょっとやることあるから帰ってくるまでには終わらせといてね。」
高松「わかりました。」
講師は、練習場から出ていく。
高松「で、2日しか見てないが、あんたらの目が死んでいるように見える。」
加藤「嘘だ〜。私達ちゃんとやってるよ？」
高松「ちゃんとやっていると思う。だがな、講師さんが色々教えてくれているのに、何か暗い顔をしているのが、気になってな。」
美玲「そんな顔してたの？」
高松「あぁ、何かを教えてもらうのは、伸び代があるから言われているんだろ？そんな実力不足って思わなくていいと思うぞ。」
井口「だけど、私すごく怒られるよ？」
高松「それは・・・別の問題だろ。」
井口「うっ・・・」
高松「それに仲間が増えるんだったら、尚更だろ？ひらがなけやきは、前に進むために仲間を増やしたんだって。」
久美「でも、私たちだけじゃ・・・」
高松「そう暗い考えをするなって。お前ら、この世界に入って何年目だ？」
潮「1年経ったくらい？」
高松「だろ？俺だって、今飲食店のバイトしてるけど、店の3分の1の料理すら作れてないんだぞ？それと同じだって。このグループをもっと良くしたいから、秋元先生も仲間を増やそうと思ったんじゃねぇーのか？」
俺の話に耳を傾け始めた。
高松「それに絶望しても、何か目標があればどうにかなるんだよ。今の所の目標は、あるか？」
柿崎「東京ドームでのライブじゃない？」
京子「そうそう、でも・・・」
高松「だから、ここでそんなこと言わなくていいんだよ。今から一生懸命やれば、いけるかもしれないだろ？」
少しずつだが、目の色が変わっている。
高松「俺も目標があるわけじゃねーけど、自分のために働いている。あんたらは、何のために踊ったり、歌ったりしているんだ？」
高瀬「1人でも多くの人に、知ってもらうため。」
高松「だろ？だったら、こんなところでいじけていたら、ダメだろ？」
東村「そうやな。」
高松「だったら、やるしかないだろ？後輩もできるんだからよ。」
高本「ん〜、けどなんかやる気出てきた。」
久美「そうだね。みんな、やれる？」
「「「うん！」」」
高松「じゃ、東京ドームに行きたいか？」
久美「当たり前なこと聞かないでよ。ねぇ、みんな？」
目の色がはっきりと変わり、やる気に満ち溢れている。
それにみんな笑っている。
今回もうまくいったな。
高松「じゃ、この後もやれるよな？」
柿崎「当たり前なこと言わないでよ。」
高松「そうだよな。」
「終わった？」
ちょうど講師の先生が帰ってきた。
高松「終わりましたよ。ほら、続き頑張れよ。」
美玲「言われなくてもやるよ？」
高松「そうかい。」
終わったぽいから帰るか。