元不良見習いの奮闘記







































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第1章 暴れん坊見習い
夜でも怒号
植村「おい、たこすけ。暖簾を出してこい。」
高松「・・・っす。」
植村「返事は、はいって言ってるだろうが!!」
大将は、拳を振り上げる。
高松「やべぇ!」
暖簾を持って、入り口を出る。
植村「たく、あのボケが。」
白村「あれでも、まだ良くなったほうですよ。あいつ、まともに返事にできませんでしたからね。」
角田「まぁ、変わろうとしているからいいんじゃないっすか?」
植村「たく、お前らは・・・」
開店時間だ。
暖簾を掲げる。
ここの居酒屋は、名前がない。
暖簾を出しているが、暖簾に文字はない。
だから、この商店街の人たちは紺色屋って言っている。
高松「何すればいいんだ?」
植村「いいですかだろうが!!」
ゲンコツが落ちる。
たぶんここで働いてから身長が縮んだと思う。
高松「ぐぅ〜!!」
植村「それと、間違っていたらすいませんだろうが!たく、このたこすけが!」
白村「まぁまぁ、大将。そろそろお客さん来ますよ。」
植村「チッ!冷蔵庫から魚取ってこい。左の銀のトレイに入ってる。」
高松「はい。」
ガララッ!
植村「いらっしゃい。」
白村「いらっしゃい。」
角田「へい!らっしゃい!」
〜〜〜〜
開店してから2時間後
「すいませ〜ん!」
植村「たこ、行ってこい。」
津田「っ・・・はい。」
メモ用紙とボールペンを用意して注文を聞きに行く。
津田「何にするんだ?」
「はぁ?」
植村「ごらぁ!!」
津田「あ、何にしますか?」
「えっと、鯵のなめろうとシメサバ、ビールのおかわりちょうだい。」
津田「わかった。」
「ん?」
植村「かしこまりましただろうが!!」
厨房から怒鳴られる。
植村「すいません。そいつ、最近入ったばっかりで・・・」
「いや〜、若いっていいですよね。」
植村「すいません。」
めちゃくちゃ俺を睨んでくる。
厨房に戻り、厨房を見せる。
そして・・・
ゴツン!シュ〜!
高松「いっ・・・」
植村「何度言ったら、わかるんだよ!」
高松「す、すいません。」
頭を押さえながら、謝る。
白村「まぁまぁ、大将。かんぼう、これカウンターの3番さんに出してこい。ちゃんと料理の名前も言えよ?」
高松「はい。えっと・・・」
白石「旬の野菜天ぷらの盛り合わせな。」
高松「はい。」
3番さんに出す。
高松「野菜天ぷらの盛り合わせ・・です。」
「まだマシになったほうだな。」
高松「・・・うっす。」
「若いうちにいっぱい怒られときな。後からいい経験だって、わかるから。」
高松「あざっす。」
「あ、礼まで言えたか。大将のおかげか?」
高松「・・・」
黙り込む俺。
植村「たこすけ!早く戻って皿洗え!!」
高松「あ、やべぇ!」
洗い場に戻り、皿を洗う。
植村「はぁ〜、早く洗えよ。お前に仕事は残っているからな。」
高松「う・・・はい。」
植村「いつになったら、はいって言えるんだよ!!」
「いや〜、ここの名物だよな。2ヶ月前か?みんな、心配してたけどな。」
「そうですよ、大将。まともになってますよ。」
植村「そうはいきませんぜ。まだまだ未熟なこどもでさぁ。おい、たこ!まだか?」
高松「まだ・・です。」
植村「早くしろ。」
高松「は、はい。」
もはや、俺が怒鳴られるのはこの店の恒例行事らしい。
俺もわざとじゃないが、言葉が出ない。
それをわかっていて、怒鳴っているんだろうな。
植村「おい!たこ!まだか?!」
高松「い、今行く!」
植村「行きますだろうが!!」
高松「いてぇ!!」
「またかよ。」
「でも、飽きないわ。」
それをアテに酒を飲む客たち。
やるしかないわ。

■筆者メッセージ
もう少ししたら、坂道メンバーを出そうと思います。
誰を出して欲しいかリクエストください。
それによって話を書いていきます。
満腹定食 ( 2021/08/31(火) 23:26 )