新人警察官は駆け上がる





































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第8章 津田の相談部屋
副業どころか本職に・・・
津田「え?今なんて?」
橋本「だから、今月開くライブのケータリングで料理出してって言ったの。」
津田「待ってくださいよ。俺、警察官ですよ?それに副業は禁止されているのわかっていますよね?」
橋本「知っているわよ。十津川さんには、許可もらっているから安心して?」
津田「あの人・・・」
橋本さんが久々に部屋に来て、酒と料理を堪能している。
で、さっきの話が出てきたのだ。
津田「えぇ、何を出せばいいんですか?」
橋本「それは、向こうが任せるって言ってきたから津田くんが選んで?」
津田「嘘だろ・・・」
これが1番困る。
料理でも外食にしろ、自分1人だけならまだしも、大人数を相手にしないといけないのだ。
津田「はぁ〜。」
初恋サワーを飲みながら考える。
橋本さんには、日本酒を出している。
日本酒は、賀茂鶴を出している。
津田「あの人数でケータリング出せって・・・あ。」
橋本「え?もう決まったの?」
津田「はぁ〜、しんどいけどこれしかないんすよね。」
〜〜〜〜
ライブ当日
津田「本格的なやつを用意するとは、さすが乃木坂だな。」
俺は、用意された機材の前に立っている。
それに材料もちゃんと揃っている。
津田「はぁ〜、それに40人分ちょっとを作るのはきついけどやるか。」
今から作るのは、たこ焼き。
ライブ会場での火器の許可も降りたらしく、屋台用のコンロで作る。
まず油をしく。
生地を流し込み、紅生姜、ネギ、タコを入れる。
あとは片面が焼けるまで待つ。
ジューという音が響いている。
「この音は、何?」
「あ、あれじゃない?」
俺がたこ焼きを作っていることに気づく2人組。
「あ、桃子が言ってた人だ。」
「えっと、津田さん?」
津田「そうですが、あんた達は?」
「え?私を知らないんですか?」
「もしかして、私も?」
津田「えぇ、すいません。」
「聖来ちゃんにしか興味ないみたいだね。私は、山下美月ね。」
「私は、与田祐希。たこ焼き作っているんですか?」
津田「そっちのお偉いさんからお願いが来たんですよ。副業が本職になりそうですわ。」
山下「それだったら私たちの専属料理人になってよ。お金いっぱい出ると思うし。」
与田「そうだよ。それが1番いいかもね。」
津田「あのですね・・・あぁ、焼けてる。」
言い返す前にたこ焼きをピックでひっくり返す。
山下「すご〜い。」
与田「やってたの?」
津田「まぁ、学祭の時にやりましたよ。それでコツを掴みました。あと少し焼けたらそこにトッピングあるんで自分でどうぞ。」
山下「どれにしようかな。」
与田「定番でいいんじゃない?」
2人は、ソースとマヨネーズ、青のりをトッピングしてたこ焼きを食べる。
山下「美味し〜!何個でも食べれそう!」
与田「あっつ!ん!美味しい〜!」
美味しそうに食べる2人
与田さんは、リスだな。
山下さんは・・・小悪魔だな。
山下「変なこと考えてなかった?」
津田「いいえ?別に?」
「あ?!たこ焼き!!」
「ほんまや!私に50個ちょうだい!!」
高山「さゆりん!食べ過ぎだよ!」
「そんなに食べてないって!いつもなら100個食べれるんやで!」
樋口「津田君だ。やっほ〜。」
津田「ど〜も。今焼けてる分出すんでちょっと待ってくださいね。」
続々と乃木坂メンバーがやってくる。
回転するか心配だ。
〜〜〜〜
津田「つ、疲れた〜。」
俺は、あれからたこ焼きをめちゃくちゃ作った。
え?覚えているわけねぇーだろ。
200超えたあたりで数えるのやめた。
そして、ライブ会場スタッフルームの端で寝そべっている。
橋本「お疲れ〜。」
津田「もう何もしたくない。」
腕がパンパンだ。
起き上がるのもしんどい。
橋本「そんなこと言って、ほら、ライブ始まるよ?」
津田「うげぇ、そうだった。もう少したら行く〜。」
橋本「これ飲んで元気出してね。」
置かれたのは、レッドブルー。
翼をつけて見に来い=早く見に来い
津田「・・・あんた、鬼か?」
橋本「え?なんのこと?」
津田「とぼけやがって、ん!」
レッドブルーを一気に飲み干す。
津田「うしっ!行くか。」
俺は、スタッフルームを出る。
橋本「元気じゃん。」
〜〜〜〜
早川「聖来の活躍を見に来てくれたん?!」
津田「まぁな、一回も見たことないから見てみたいと思ってな。」
警察官の休みによって、ライブが見れないことが多い。
こんな機会を逃してしまえば、次の機会でみようとできないだろう。
山下「へぇ〜、聖来ちゃんが推しメンなんだ。」
津田「まぁ、そうですね。初めて乃木坂を知るきっかけになったんで。」
山下「もしかして聖来ちゃんのグッズもいっぱいあるの?」
津田「えぇ、買わせて頂いています。」
早川「津田さん、聖来にメロメロやねん!」
津田「調子に乗るな。」
早川「いって。」
軽くチョップをする。
与田「他の人に興味はないの?」
津田「う〜ん。今のところは、あんまりですね。あ、けど、遠藤さんかな。」
山下「さくちゃんを推すなら私を推してよ〜。」
与田「美月ずるい。私のグッズも買ってくださいね?」
津田「・・・考えときます。」
山下「あ、絶対買わないつもりだ!今ここで買ってよ!」
与田「私のやつも!!」
津田「ライブ前ですよね?!そんな暇あるならライブに集中してくださいよ!」
早川「津田さんは、私のものだから先輩方やめてください!」
津田「お前も乗るな!」
わーきゃー騒がしくなり、1番偉いスタッフさんにめちゃくちゃ怒られた。
俺は、その後に与田さんと山下さんのタオルを買うことになった。

満腹定食 ( 2021/06/04(金) 21:54 )