新人警察官は駆け上がる





































小説トップ
第4章 え?これ、仕事ですか?
食ってる笑顔で癒されよう
津田「え?呼び出しですか?」
駒田「あぁ、お前に会いたがっているから明後日行ってこい。」
今日は夜勤で駒田さんに会ってすぐに言われたのが、「明日本部に行ってこい」だった。
津田「時間は・・・」
駒田「17時くらいでいいだろ。それくらいで会いに来いって言ってたし。」
津田「えぇ、なんかやだな。」
駒田「どうしてだ?光栄なことだろ?」
津田「そうですが・・・はい。」
何かと会うのが嫌だ。
知っている人に会うならまだしも署長のさらに上のところから来て、顔も見たこともない人に会うのは俺は苦手だ。
それに噂では、刑事課の相当なやり手でエリートだと耳にしている。
それなのにここの警察署の署長になるのはどうかと思う。
俺は、早川さんの誘拐事件の時に管轄内から飛び出して助けたらいいものの署長に怒鳴られめちゃくちゃ怒られた。
今回はすぐに呼び出してはないから余計に嫌だ。
ーーーー
津田「ん〜!ふぁ〜。」
夜勤を終えて俺は寝ていた。
今は14時前。
津田「腹減ったし何か作るか。」
炊事場に行き、何を作ろうと考えながらリビングの横を通ると
矢久保「やっほ〜。」
矢久保さんがテレビを見ていた。
津田「はぁ〜、1人か?」
矢久保「そうだよ!聖来とかっきーは撮影で、さくらちゃんは番組収録!で、私は何もないからここに来た!」
津田「鍵は?」
矢久保「聖来から借りた!」
津田「まぁ、いいわ。聞くけど飯は?」
矢久保「まだだよ!」
津田「じゃ、作るわ。」
冷蔵庫と炊事場下の収納を見る。
そろそろパスタを使い切らないといけなかったな。
津田「ケチャップも使わなあかんからナポリタンだな。うしっ!」
冷蔵庫からピーマン、玉ねぎ、ウインナー、ケチャップ、中濃ソース、バターを出す。
〜〜〜〜
津田「はい、完成。」
少し味濃いめのナポリタンの完成。
前にYouTubeで見た横浜ナポリタンってやつだな。
若いからこれくらいでいいか。
矢久保「うわ〜!おいしそう!!」
津田「ほら、粉チーズもあるぞ?」
矢久保「タバスコは?」
津田「あ〜、買ってないな〜。今日は粉チーズで我慢してくれ。」
矢久保「えぇ〜。」
津田「文句があるなら食わなくていいぞ?」
矢久保「たべる!いただきまーす!んっ?!うまーい!」
津田「そりゃよかった。ん、我ながら上出来。」
矢久保「聖来もこんなに美味しい料理食べてるなんて羨ましいよ〜!」
津田「そりゃ、ずっと部屋に来ているからな。」
最近は仕事が忙しくなったのか、のんびりと部屋には来ないが、半日の休みがあればここに来て飯を食っている。
矢久保「それにかっきーも津田さんの料理を食べると元気が出るって言ってたよ。」
津田「そんなおかしなもん入れた覚えはないんだけどなぁ〜。」
人のために料理をするのは、俺にとってはストレス解消法みたいなところがある。それは、食べてうまいって思っている顔を見ると何かと癒されるからだ。
けど、それほど隠し味を入れているわけではないし、ましてや賀喜さんが言ってた元気が出るというのは、おれにはわからないな。
矢久保「けど、津田さんの料理って全部美味しいよね。まだ数回しか来てないけど。」
口を汚しながら笑う矢久保さん。
津田「ほら〜、ケチャップで口が汚れているやん?」
ティッシュを渡し、拭くように促す。
矢久保「今度さ!唐揚げが食べたい!」
津田「もうリクエストか?まぁ、次来た時の冷蔵庫で決めるわ。」
矢久保「やった〜!」
この笑顔で俺は、今癒されている。
唐揚げなら何かと楽だしいいかなって思う。


満腹定食 ( 2021/05/21(金) 22:04 )