新人警察官は駆け上がる





































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番外編 その2 パラレルワールド
賀喜遥香の場合
津田「あぁ〜、つれぇ〜。」
ことごとく断られた。
やっぱり、メディア受けがいいメンバーがいるのはわかっている。
だが、それでも出してもいいんじゃないかって言うメンバーが、いるから頼んでいる。
しかし、返答は冷たい。
(え?誰ですか?それよりもセンターや1、2列目で歌ったり踊ったりしているメンバーの方がメディア受けがいいでしょ?あ、データでお願いします。では。)
世の中は、冷たい。
わかっている。
けど、悔しいな。
「暗いですよ。大丈夫ですか?」
津田「ん?どこが暗いんだよ。」
賀喜さんがいた。
賀喜「暗いですよ。何かあったんですか?」
津田「なんにもないわ。気にしなくていいから、次の仕事に行けよ。」
賀喜「気になりますよ!」
津田「いいって。俺も仕事残っているから。」
賀喜「そんな顔しても失敗しますよ。」
津田「そんなことねぇーわ。」
賀喜「じゃ、話してくださいよ。」
津田「やから、ないって。」
賀喜「ありますよね?」
津田「ないって。」
「何しているんだ?」
賀喜「あ、今野さん。」
津田「なんにもありませんよ。ほら、行けよ。」
賀喜「あ、ちょっと!」
今野「津田。」
津田「はい?」
今野「もう上がれ。そんな感じで仕事してもミスするだけだ。」
津田「え?大丈夫ですよ。」
今野「いいから。休まないようだったら・・・」
津田「あ、上がります・・・」
今野「そう言うことで。賀喜は?」
賀喜「一応お仕事入ってますけど・・・」
今野「あれ?伝えてなかったか?バラシになったて。」
賀喜「え?あ、本当だ。」
今野「じゃ、津田と帰りなさい。わかったな、津田。」
津田「はい。」
賀喜さんと一緒に車に向かう。
賀喜「メンバーのことですか?」
津田「あぁ?まぁ、そんなところだな。」
賀喜「全部吐き出してくださいよ。津田さんの隣にいるって決めたのに・・・」
そう、俺は賀喜さんを選んだ。
なぜか知らないが、1年間ずっと賀喜さんの顔が思い浮かんでいたのだ。
津田「はぁ〜、乃木坂じゃないが、メンバーを選びたいから紹介してくれって番組が来たんだよ。」
賀喜「それで?」
津田「とあるメンバーを紹介したら、誰ですかって。それでやっぱりデータでお願いしますって言われた。やっぱこの世界は残酷だなって。」
賀喜「・・・」
津田「悲しいわ。まぁ、最近はないんやけど、その子知らないから1、2列目の子を紹介してくれって来るんだよ。あいつらだって、必死になって前に出たいのによ。それ言われると悔しいなって。」
賀喜「・・・」
津田「はぁ〜、まぁ、しゃーない。帰って酒でも飲むか。」
賀喜「津田さん。」
津田「ん?おふっ。」
抱きつかれる。
賀喜「もう溜め込まなくてもいいんですよ。私達・・・私がいるんですから。」
津田「わかってるって。」
賀喜「津田さんが、今頑張っていることはみんな知っていますよ。選抜から外れた子達も津田さんの頑張りに答えたいってみんな必死になってますよ。」
津田「そうか・・・それを見せれないのが悔しくてな。」
賀喜「大丈夫です。みんな、前を向いてます。」
津田「そうか・・・」
賀喜「だから、暗い津田さんを見たくないです。明るくなってください。」
津田「そうだな。まだやってやるよ。」
賀喜「それでこそ、津田さんですよ。」
津田「わかったことを言いやがって。こいつ。」
頭をむちゃくちゃ撫でる。
賀喜「きゃ〜!やめてくださいよ!!」
津田「うるせぇ〜。」
笑っているからもっとやってやろう。
「何しているのよ。」
賀喜「え?あ。」
津田「げぇ。」
橋本さんがいた。
鬼の形相でめちゃくちゃ睨んでいる。
橋本「惚気ているの?」
津田「違います。な?」
賀喜「は、はい!」
橋本「そう。まぁ、見逃してあげる。けど、賀喜。」
賀喜「はい?」
橋本「奪ってあげるから、覚悟しときなさい。」
賀喜「は、はい!」
めちゃくちゃ綺麗な気をつけをしている。
津田「じゃ、帰るか。」
賀喜「は、はい!失礼します!」
俺と賀喜さんは、車に向かう。
橋本「はぁ〜、いいわね。」
北村「付き合いますよ。」
橋本「じゃ、朝までね。」
北村「考えときます。」
橋本「強制ね。ほら。」
北村「嘘〜ん。」

満腹定食 ( 2021/09/05(日) 17:01 )