新人警察官は駆け上がる





































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第29章 悲しい過去にさようなら
当然来るよな
俺と平松は、日向坂城の披露会を見守る。
柔らかい素材でできた刀と槍での模擬戦。
しばきあっている姿を見ていると面白いわ。
津田「あぁ〜、混ざりてぇ〜。」
平松「おい、戦闘狂。」
抽選で当たった人がやっているらしい。
模擬戦は100人くらいでやっている。
槍の先や剣には、水性のインクがついている。
そのインクが首や顔につくと模擬戦から離れないといけないルールになっている。
「やめぇ〜!勝者!西軍!!」
「勝鬨をあげよ!」
「「「えいえいおー!!」」」
西軍が勝ったようだ。
「勝った西軍には、殿から褒美を授ける!一列になられよ!」
西軍に所属していた人たちが一列になる。
殿が現れる。
津田「お?かっけぇ。」
平松「あれ、女だぞ?」
津田「確か・・・えぇ〜と・・・」
平松「平手友梨奈だ。もしかして、知らないのか?」
津田「そうだった。」
今回のゲスト、平手友梨奈。
ようブッキングできたなって思うわ。
ちょこっと動画を見たが、ダンスはカッコいいし、歌も力強いと感じた。
参加者は、満面の笑みで賞品をもらっている。
津田「早く終われよ。」
平松「おい、本音出てるぞ。」
参加すれば、楽しいと思うが観戦は全然楽しくない。それに職務中。
津田「ん?」
平松「おい、手を振ってるぞ。」
津田「あれは・・・」
あ、小坂さんや。
あと、美玲さんや影山さんも。
津田「うわ〜、無視だ。」
平松「反応しろよ。」
津田「職務中だぞ?それに俺は、上から睨まれているだぞ?」
平松「開き直れよ。」
津田「やだ。」
とにかく無視を突き通す。
〜〜〜〜
日向坂side
加藤「あれ?見えてないのかな?」
影山「振り返してよ〜。」
小坂「ほんま、いけずやわ。」
久美「こら!津田さんは、お仕事中って言ったでしょ!!」
〜〜〜〜
そろそろ火縄銃の披露だ。
「火縄銃!!準備!!」
手慣れた手つきで、火縄銃に火薬を入れる。
「発火!構え!」
撃つ構えをする。
「撃てぇ〜!!」
パン!
筒から白い煙が舞う。
拍手が鳴り響く。
その時・・・
バタン!と誰か倒れる音がする。
白い煙が消えると火縄銃を指揮した人物がいない。
津田「っ?!平松!行くぞ!」
平松「え?あ、あぁ!」
「おい!そこの警察官!何をしているんだ!」
聞き入れず、指揮官に近づく。
左胸に撃たれた跡がある。
平松「手遅れだな。」
俺は、狙撃したであろう方向を見る。
津田「ん?」
「おい!披露会中だぞ!!」
俺達より上の人たちが数人来る。
津田「殺害されてます!それにあそこ!狙撃した犯人がいます!」
俺が指さした先に走っている黒い服を着た人物がいた。
俺は、狙撃犯を捕まえに行く。
「おい!本部に連絡だ!あと救急車!!」
ざわざわし始める会場。
津田「あ!ちょ!!」
人混みで前に進めない。
そうしている間に狙撃犯は姿を消す。
津田「く、くそ!!」
また死人が出てしまった。
それに犯人も取り逃した。
最悪だ。

満腹定食 ( 2021/08/04(水) 19:22 )