新人警察官は駆け上がる





































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第2章 異動騒動
笑顔のために
北村「津田〜、最近元気だな〜。まぁ、早川聖来のおかげか。」
津田「そんなことないですよ。」
「誰だ?そいつは?」
北村「知らないんかよ。津田が助けた・・って駒田さん?!」
駒田「いい度胸してるな。」
北村「え、いや、すいませんでした!」
北村さんは、素早く綺麗な土下座をする。
お手本のような土下座だ。
駒田「まぁ、いい。ちょっと顔を覗かせに来ただけだよ。じゃ〜な。」
北村「さよなら〜。」
駒田さんは、そのまま帰っていく。
津田「そうやっていろんな女の人に頭を下げてきたんすか?」
北村「お前・・・」
津田「あ、パトロールの時間だ。行ってきます。」
北村「待ちやが・・・って、はや!!」
〜〜〜〜
いつも通りにパトロールするが、何か違った点がないか、周りをよく見る。
「お巡りさん、こんにちわ。」
津田「こんにちわ〜。」
「お巡りさん!頑張ってね!!」
津田「ありがとうございます!」
「お?津田さん!何かいいことあったのか?」
津田「いやいや、ないですよ!」
「津田さ〜ん!また飲みに来てくれよ〜!」
津田「明後日休みなんで、その時に!」
街の人たちが声をかけてくれる。
このために俺は働いているんだと実感できる。
それに市民の笑顔が見たいから俺は警察官として働くことを選んだ。
「「「お巡りさん!こんにちわ!」」」
津田「こんにちわ!!勉強しっかりするんだよ!!」
「「「は〜い!!!」」」
今時は、警察官はきついし教官が厳しいからと言って志望する人数が減っていっている。しかし、警察官を中途半端な気持ちで目指して途中で辞めてしまう人もいる。だから、絶対に警察官を目指すならそれ相当の覚悟や志を持って入ってきて欲しいと思う。
ーーーー
キキィー!ガシャン!
津田「ただいま戻りました!」
北村「はい、お疲れ。」
いろんな人の笑顔を見てきた。
こんな笑顔がずっと続けばいいのにな。
それに
早川「こんにちは!!」
賀喜「こんにちは。」
津田「はぁ〜、また来たんかよ。」
早川「もう〜、可愛い子が差し入れを持ってきたのにその態度はないやろ?」
津田「はいはい、差し入れもあんまりしないでね。」
北村「このバカ野郎は・・・。で、今日の差し入れは?」
早川「ふふふ、びっくりするで!じゃ〜ん!」
北村「お?!それは1時間も並ばないと食べれないフルーツ大福じゃん!」
賀喜「この間、私たちの差し入れで貰ったんで、津田さん達にもって聖来が・・・」
北村「貰えよ!津田!お前に縁のない物だ!」
津田「はいはい、もらいますよ。ありがとうね。早川さん。」
早川「ふふ、津田さんもお仕事頑張ってな!」
津田「はいはい、早く帰りなさい。」
賀喜「では、私たちはこれで。」
早川「バイバーイ!」
あの笑顔を守りたいと思えたのは、始めてだ。
津田「よし、頑張ろう。」

満腹定食 ( 2021/05/10(月) 19:30 )