新人警察官は駆け上がる





































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第26章 酒と女と雪景色
大沼、頑張る
ピンポーン
津田「はいは〜い。」
扉を開けると大沼さんがいた。
今日は、大沼さんだけの日だ。
大沼「お邪魔します。私の実家から何か送られてきましたか?」
津田「あぁ、びっくりしたわ。あれ。」
大沼さんが来る前に、デカめの発泡スチロールが送られてきた。
中身はまだ見てないが、結構重かった。
津田「一緒に開けようか。」
大沼「はい。」
ガムテープを剥がして、蓋を開ける。
津田「・・・大量だな。」
大沼「お父さん・・・」
送られてきたのは、20匹くらいの鯖。
そういえば時期的にも旬だったような気がする。
大沼「お父さんに電話します。」
津田「あぁ、よろしく。」
さぁ、どうするか。
焼き鯖、シメサバ、ごま鯖、味噌煮、生で食うのは、危ないからこれくらいか。
どうすっか〜。
大沼「お父さんがよろしくって言ってました。」
津田「そうか。それじゃ、やるか。」
大沼「はい!」
津田「ちゃんと見とけよ。」
まずは、鯖を水で洗って、頭を落とす。
腹に包丁を入れて、内臓を出す。
腹を開いて、血合いを洗う。
それから、背中から包丁を入れ、3枚おろしにする。
大沼「す、すご〜い。」
津田「いや、数こなしとけばどうにかなるって。それじゃやってみよう。」
大沼「はい!」
包丁を持ち、鯖に手をかけようとする。
津田「反対の手は、猫の手な?」
大沼「あ、はい。」
この子は、料理をしてこなかった子だな。
頭を落とそうとすると手を振りかざす。
津田「そんなに力入れなくてええわ。」
大沼「はい!」
津田「もっと包丁は斜めに。」
大沼「はい!」
津田「もっと骨を感じてから、包丁をおろせ。」
大沼「はい!」
津田「そうだ。」
〜〜〜〜
大沼さんと一緒に鯖を全部捌いた。
半分は、冷凍する。
その半分を分けてシメサバにして、その残りは今使う。
津田「はい。大沼さんが捌いた鯖な。」
大沼「美味しそう!!」
鯖の味噌煮とごま鯖だ。
一旦お湯を通して、臭みを取っているため魚臭さはないと思う。
大沼「いただきます!ん!!美味しい!!」
津田「そりゃよかった。俺は、これを。」
日本酒の十四代。
結構奮発した。
大沼「見たことないお酒ですね。」
津田「高いからな。」
これは、冷酒で味わう。
津田「くぅ〜!うまい!!」
頑張って手に入れた甲斐がある。
大沼「・・・」
津田「飲む?」
大沼「はい!」
津田「ちょっと待ってな。」
大沼「いえ!これで!」
津田「あ!ちょっと!!」
俺の徳利を一気に飲み干す。
大沼「ぬぅ!あぁ!!」
津田「そんな一気に飲むもんじゃねぇーよ!たく。」
麦茶を渡し、飲ませる。
大沼「あ、あれ?津田さんが3人いる?」
津田「こりゃダメだ。」
水を飲ませて、背中をトントンさせて寝かせる。
大沼「つ、津田さ〜ん・・・」
津田「はいはい。ここにいるぞ。」
大沼「うぇ・・・」
とりあえず布団へ寝かせるか。

満腹定食 ( 2021/07/20(火) 22:14 )