新人警察官は駆け上がる





































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第25章 臭いと悩みはすぐに消えない
新米刑事(仮)
次の日
俺は、日向坂区警察署分署に聞いている。
十津川さんからは、少しの間刑事課にいろと言われて捜査本部にいることになった。
警察の制服ではなく、スーツを着ている。
「起立!!署長に向かって!敬礼!着席!」
捜査会議が行われる。
十津川「えぇ、今回の事件は、殺人の線で行こうと思う。みんな異論はないな?」
まぁ、1人は異論はあるよな。
手を挙げてる奴がいる。
「自殺ではないのですか?それに睡眠薬を自分で購入してそのまま飲んだとか?」
十津川「それは、今から話す。刑事部長。」
「はい。えぇ・・・」
手短に説明すると、
ご遺体の持ち物から睡眠薬のゴミはなかった。
ペットボトルから睡眠薬が検出された。
遺体からも致死量の睡眠薬が検出されている。
遺体の身元はわかっており、外資系会社の課長をしていた独身の35歳男性。
「おい、そこの奴。」
1番後ろに座っていた俺が指される。
津田「はい。」
「お前は、何か変わったことはなかったのか?」
席から立ち、説明をする。
津田「変わった様子はありませんでした。それに車両の前後に係の人間を置いて怪しい人間の確認ができてないのは、その前から何かあったんではないでしょうか?」
「一理あるな。」
十津川「それに、私もその現場にいたが、車両に立ち寄った人がいなかったな。」
「十津川署長がおっしゃるなら・・・」
まぁ、坂道署の問題児として見られているから、何かミスを誘ってやめさせたいのだろう。
津田「すいません。昨日の現場にいた人たちの名前と住所を控えてます。これで、参加した名簿と照らし合わせてもいいのではないでしょうか?」
「それで何がわかるだ?」
津田「乗り合わせなかった人間が犯人という可能性はありえませんか?それだったら、誰にも見られずに致死量の睡眠薬を入れた飲み物を渡して・・・」
「地域課なのにしっかりしているな。誰か、やってくれるものはいるか?」
「それなら自分たちがやります。」
「よし、えぇ〜津田?だったか?お前は、アイドルと親しいらしいから今日は、そこに行ってこい。」
津田「はい。」
「それ以外は、ご遺体の会社や身辺を当たってくれ。」
「「「はっ!!」」」
「では、署長。」
十津川「とにかく、アイドルの子達も怯えているだろ。それを取り除くために1日でも早く、解決させる!いいな!」
「「「はい!」」」
「よし、解散!!」
刑事達は一斉に捜査本部から出ていく。
俺は、ちょっと後から行こう。
十津川「おい、津田。」
津田「はい?」
十津川さんに呼ばれる。
十津川「すぐに着替えるから少し待っててくれ。」
津田「え?ここに残るんじゃ・・・」
十津川「副署長に任せてあるから安心しなさい。」
津田「は、はぁ・・・」
〜〜〜〜
俺は、乃木坂区の本社に来ている。
まぁ、すぐにわかると思うがな。
北村「結構、早く来ましたね。」
十津川「刑事課にいたときの血が騒いでな。」
北村「で、SLの事件ですよね。その時警備についていた人間を集めてますので、こちらに。」
十津川「さすが北村だ。案内してくれ。」
北村「はい。津田。」
津田「はい?」
北村「お前がやらないといけないだろうが。」
津田「あ、ほんまや。」
北村「たく、俺の下について何を学んだんだよ。」
津田「えぇ〜と・・・」
北村「はぁ〜、たく・・・ほら、聞き込みしろ。」
津田「は、はい!」
俺は北村さんについていく。
十津川「どっちが警察官と思うくらいだな。」
十津川さんは、その後ろ姿をみてぼやく。
案内された部屋に入り、当日に警備についていた人から話を聞く。
「そういえば・・・あ、駅に乗らずに1人いたな・・・」
津田「その時の状況は?」
「えぇ〜と、確か・・・男でしたね。それで、電話をしてすぐにどこかへ行かれましたね。」
津田「ありがとうございます。顔は、覚えてますか?」
「一応、はい。」
津田「では、明日来てください。」
「わかりました。」
よし、事件解決に一歩近づいた。
十津川「北村、駅に防犯カメラは?」
北村「ないですよ。見たでしょ?あの古い駅。」
SLが走った路線は、耐震工事はしているものの、建物自体が古い。
俺もSLに乗る前にあるか確認したがなかったな。
北村「難航しそうですか?」
十津川「交友関係によるな。津田、どうだ?」
津田「1人、接触現場を目撃しているので明日分署に来てもらいます。」
十津川「よし、では、帰るか。」
津田「先に戻っててください。」
十津川「なぜだ?」
津田「現場にいた、3人にも状況を聞いといた方が・・・」
十津川「そういえばそうだな。北村。」
北村「そういうと思って待機させてますよ。待っててくださいね。あ、皆さん戻ってもらっても構いません。」
〜〜〜〜
潮さんと高瀬さん、宮田さんが会議室に入ってきた。
津田「3人ともごめんな。」
宮田「いえ、大丈夫です。」
潮「それで、お話って・・・」
津田「亡くなった人の切符切った人は?」
高瀬「はい。」
津田「その時の状況は、覚えてる?」
高瀬「はい、少し眠そうにしていました。私が切符を切った後には、飲み物を一気に飲み干してぐっすり寝ていました。」
津田「乗り始めてから飲んでいたのか。潮さんと宮田さん。何かおかしな点はなかった?」
宮田「そうですね。お話している間もずっと寝ていました。その時・・・」
津田「そうだな。もう死んでいたかもな。」
潮「私たちが入った時には、意識が朦朧としていたかも。少し身体が揺れていたので。」
津田「なるほど、なるほど。他は?」
高瀬「ないですね。」
宮田「同じく。」
潮「私も。」
津田「わかった。それで終わり。ありがとうね。」
宮田「いえ、捜査の手助けになったかわかりませんけど・・・」
津田「それが俺たちの仕事。」
潮「なんか、刑事さんみたい。」
津田「今は、そうだな。(仮)だがな。はっはっは。それじゃ、戻っていいよ。」
潮・高瀬・宮田「ありがとうございました。」
そう言って部屋を出る3人。
俺は、聞いたことをまとめる。
ここから推測を立てる。
津田「よし、帰るか。」
部屋を出ると高瀬さんがいた。
津田「え?どうした?」
高瀬「津田さん。今週お時間がありますか?」
津田「金曜から日曜は、一応空いてるで?どうした?」
高瀬「お話を聞いてもらいたくて・・」
津田「わかった。誰か来る?」
高瀬「私1人だけ・・・あと、誰もきてほしくないです。」
深妙な顔になる高瀬さん。
津田「わかった。ちょっと待ってな。」
メモ用紙に俺の電話番号書いてちぎる。
津田「これ、俺の電話番号。最寄駅は、聞いてる?」
高瀬「はい。」
津田「着いたら連絡して。迎えに行くから。」
高瀬「わかりました。」
津田「それじゃ。」
俺は、分署に戻る。
これで捜査が進んでくれたらいいのだかな。

満腹定食 ( 2021/07/16(金) 09:17 )