新人警察官は駆け上がる





































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第23章 自分の不幸事は笑い話しろ
休みの日も
夜勤が明けて、休みに入る。
夜勤ではボールペンが割れたり、自前のコーヒーカップを割ったり、仮眠で少し寝坊したりと嫌な不幸が続いている。
そんな夜勤を終えて、家にいる。
理佐「津田さん?大丈夫ですか?」
津田「ん?何が?」
小林「疲れてません?」
津田「いや、別に?なんで?」
理佐「背中から負のオーラが出ていますよ?」
津田「いや〜、最近何かとついてないんすよね。」
小林「たとえば?」
津田「革靴の底が剥がれたり、ゴーグルが割れたり、パンクするわ。それに家では、角に小指ぶつけるし、枕カバーは飛ばされるし・・・」
理佐「ストップ。私達が重くなるからそこまでね。」
津田「と、言った不幸事が続いているんすね。ハハハ〜。」
小林「気にしてないの?」
津田「えぇ。俺の1番の不幸事は、こんなもんじゃありませんよ。」
理佐「聞いてもいいの?」
津田「いいですよ。その前に飯作りま・・・あ」
卵を1つ落とした。
津田「うわ〜、布巾で、あつっ?!」
蛇口を捻るとお湯の方を回していた。
津田「つ〜!!」
理佐「大丈夫ですか?!」
津田「すまん。ちょっと待ってくれ。」
小林「これくらい拭きますよ。理佐。」
理佐「ちょっと待って。」
〜〜〜〜
小林さんと理佐さんに手伝ってもらい、飯を作った。
ピーマンの肉詰め、イカとタコのサラダ、卵とトマトのスープ、ナスと白菜の浅漬け。
小林「なんとか、できたね。」
理佐「久々にちゃんとした料理作ったかも。」
津田「ふんじゃ、ビールですか?フルーツ酒ですか?」
小林・理佐「ビール!」
津田「はいはい。」
今日のビールは、諏訪浪漫ビール 信州浪漫ゴールデンエール。
カスケードホップを使用した柑橘系の爽やかな香りと、心地よい苦味が楽しめるアメリカンスタイルのゴールデンエールだ。
津田「はい、お待ちどう。」
小林「いただきます!ん〜!!」
理佐「美味しい〜!!」
その顔を見ながら、俺はピーマンの肉詰めを齧る。
齧った瞬間、肉汁が目玉に直撃する。
津田「あっつ!!」
小林「ここも?」
理佐「本当についてないね。」
津田「いや〜、まぁ、笑っとけばいいんすよ。」
小林「笑うって言っても・・・」
津田「こんなこともありましたって言えば、笑って過ごされるんすよ。」
理佐「私たちには無理かも・・・」
津田「土田さんや澤部さん達に美味しくしてもらえれば、笑いになるでしょ?」
小林「あぁ〜、アリかも。」
理佐「それならいいけど。」
津田「でしょ?とにかく、飯食いましょ。」
小林「そうね。じゃ、これ。うん!美味しい!!」
理佐「私は、これ。ん〜!幸せ〜。」
津田「はっはっは、それでいいんすよ。」
2人が笑顔になる。これでいいのだ。
理佐「あと、お風呂上がったらよろしくね?」
津田「ふぇ?」
小林「あ、私も。」
津田「な、なんですよと・・・」
あとは、ご想像に・・・

満腹定食 ( 2021/07/09(金) 22:07 )