新人警察官は駆け上がる





































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第23章 自分の不幸事は笑い話しろ
小さい事は・・・
あれからまた小さい不幸が続いている。
家に帰ると、角に足の小指ぶつけたり、洗い物をしているとグラスを割ったり、枕カバーが風で飛ばされたりとちょっと嫌な不幸が続いている。
杉山「津田〜、パトロール。」
津田「はいはい、今い・・・だぁ?!」
またこける。
津田「いてて、今度はなんだ?」
川辺「ありゃ?靴底剥がれてますよ?」
津田「えぇ〜。」
今度は、革靴の底が剥がれたのだ。
津田「替えなんて持ってないですよ。」
平松「じゃ、代わりに行くわ。ここから30分行ったところに靴屋あるからそこに行ってこい。」
杉山「えぇ〜、平松とパトロールかよ〜。」
平松「うるせぇーな。ほら、行くぞ。」
杉山「へいへい。津田、いつものやつでいいよな?」
津田「あぁ、後で金渡すわ。」
杉山と平松は、パトロールに行く。
川辺「津田君、こんなものしかないけどいいかな?」
川辺さんが出してきたのは、木のサンダル。
津田「今時こんなサンダルがあるなんて。」
川辺「日向坂区の忘れられた産物ですよ。たまたま残しておいて良かったですね。」
津田「それじゃ、ありがたく使わせていただきます。」
それを履いて、靴屋に直行する。
もちろん、自前のカブで。
〜〜〜〜
靴屋に行き、サイズがあったためすぐに購入。そのまま交番に向かって走っている。
津田「しかしな〜、靴底が剥がれるとはな〜。」
こりゃ、笑い話にするしかないわ。
と思った矢先。ゴーグルがパキンって鳴って割れた。
津田「ぬぉ?!」
すぐにカブを停める。
ゴーグルを外して周りを見る。
「警察の兄ちゃん!大丈夫か?!」
津田「ゴーグルが割れました。目に入ってないんで大丈夫です!」
おっちゃんの草刈り機で草を刈っていた時に、石か何かを弾いたのが原因みたいだ。
「すまんな〜!今手持ちこれしかないからこれで勘弁してくれ〜。」
近づきながら、おっちゃんは財布から5千円札を取り出した。
津田「おっちゃん!いいよ!たまたまだろ?受け取れんって。」
「いや〜、ワシも周りを見ていたつもりやったし、ほら。」
津田「いやいや、いらんって。それも仕事あるから!」
「受け取ってくれよ!兄ちゃんがもしかしたら死んでたかもしれないだろ?」
津田「大袈裟やって。それに大丈夫やったし!」
「もうええんよ!ほら!」
津田「あ!ちょっと!」
おっちゃんは、強引に胸ポケットに5千円札を入れて、そのまま戻っていった。
津田「もぅ〜。あ、やべ。戻らねぇーと。」
急いで交番に戻る。
〜〜〜〜
交番まであと5分くらいのところまで来ている。
津田「そろそろだな。」
パンっ!!と破裂音がした。
車体が揺れ始めと同時に俺は、ブレーキをゆっくりかける。
津田「う〜わ。マジかよ。」
前輪がパンクした。
本当についてない。
残りの道のりは、カブを押して帰った。
本当についてない。
後でパンクを直してもらったが、もらった5千円がすぐに消えた。

■筆者メッセージ
いや〜、配信ライブで拝見してましたが、めちゃくちゃ良かったです。
それに全国ツアーですね。
当たるかなぁ・・・
満腹定食 ( 2021/07/09(金) 10:24 )