新人警察官は駆け上がる





































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第19章 その光を戻すために
同期と同居人
日向坂区に引っ越して2週間。
乃木坂区や櫻坂区と違ってそんなに都会ではなく程よい自然が広がっている区だ。
それに街の中心部は、学生街ってこともありいろんな店で賑わっているが、そこから外れると高校や大学の周りに田んぼや畑が広がっているところもある。
そんで今は、パトロール。
乃木坂区は自転車、櫻坂区は歩きだったが、日向坂区はパトカーに乗ってパトロールしている。
「津田〜、ちゃんと確認しろよ。」
津田「うるせぇーな。お前もちゃんと運転しろよ。警察官なんだからよ。」
パトロールを運転しているのは、俺の警察学校の同期で同部屋だった杉山浩人。
こいつは、たまたま異動で太陽町に来た。まぁ、あんまり頭が良くなかったから俺とその他の同期でめちゃくちゃ勉強させてたのが懐かしいわ。
津田「異常なしだな。」
杉山「そうだな。まぁ、こんな感じでいいんだけどな。」
津田「そうだな。帰るか。」
杉山「おぉ。」
〜〜〜〜
杉山「ただいま戻りました〜。」
津田「異常なしです。」
「おぅ、ご苦労さん。」
この人は太陽町交番の責任者、川辺博之さん。ここで3年働いて定年する予定と聞いている。
「それにしても、なんでほぼ同期の俺たちがここで働くことになるんだよ。」
こいつも警察学校の同期、平松智也。
勉強はできるが、いかんせん体力が人より少ない。
本部の出世コースを狙っていたが、ダメだったらしい。
津田「しらねぇーよ。とにかく、町の治安のために働くんだよ。」
杉山「そうだぞ、平松。頭でっかちだけでは、生きていけないんだぞ?」
平松「それは、関係ないだろ。これだから脳筋は・・・」
杉山「なんだと?ごら?」
平松「手を出してみろ。クビ飛ばしてやるよ。」
津田「はいはい、そこまで。」
この2人は警察学校でも喧嘩していた。
馬が合わないんだろうな。
〜〜〜〜
日勤を終えて、今住んでいるところへ帰る。
通勤手段は、カブ125cc。
中古で手に入れて走っている。
津田「けど、なんかおちつかねぇーわ。」
帰ってきたのは、マンションやアパートでもなく一軒家。それもクソでかい。
菅井さんのおじいさんの知り合いが手放したので、使わせてもらえるようになったと北村さんから聞いている。
菅井さんとこやべぇーわ。
それに車もついている。
おかんに電話して色々に書類や名義変更して使えるようにした。
高級車じゃないだけ伝えとく。
津田「ただいま〜。」
「おかえりなさい。」
津田「体調はどう?」
「少しずつ良くなっている気がします。」
津田「そうか、そうか。すぐに飯作るから待ってて。」
「はい。」
そう言ってスーパーの袋を炊事場に持っていき、飯を作る。
「今日のご飯はなんですか?」
津田「肉じゃが。あと小物がちょこちょこ。」
え?この会話している人間は誰って?
言ってなかったな。
この子の名前は・・・小坂菜緒
北村さん、坂道運営に頼まれて同居することになった。

■筆者メッセージ
批判されそう・・・
まぁ、うん、いいか・・・
満腹定食 ( 2021/06/27(日) 22:33 )