異動先は・・・
津田「よし、行くか。」
とうとうこの日が来た。
どこの警察署に行くか。
どこの部署に配属されるか。
緊張する日だ。
コン!コン!コン!
「どうぞ。」
津田「失礼します!!」
署長室に入る。
十津川「ここに来なさい。」
津田「はい!」
署長席の前に立つ。
十津川「では、津田雄介巡査!来月を持って櫻坂区繁華街前交番に異動を命ず!!」
津田「え、あ、はい!承りました!!」
十津川「堅苦しいのはこれくらいにして、ここの交番は、色んな事件が多くてな、3年も経たずに辞める警察官が多いんだ。本部はお前さんを合理的な理由で辞めさせたいらしい。」
津田「・・・」
十津川「しかしな、津田。お前さんはそんな人間じゃないだろ?本部の上層部を見返してやれ。」
津田「ありがたきお言葉を送っていただきありがとうございます!!津田雄介!これからも精進して参ります!!」
十津川「はっはっは、固いな〜。」
津田「固い言葉を送った十津川さんに言われたくないですよ。」
十津川「あと、津田。今住んでいる所から次の交番まで1時間半以上かかるぞ?どうする?」
津田「引っ越しを考えています。なので有給を申請します。」
十津川「そうか、会える機会が少なくなるが、絶対に挫けるなよ。」
津田「はい!やってやります!!」
ーーーー
1週間後
津田「うっし。では、お願いします。」
引っ越し業者に頼み、新しい部屋に引っ越す。
ここの部屋にはいろんな思い出が詰まっているな。
早川と賀喜さんから始まり、いろんなメンバーがここで飯食ったり酒を飲んだな。たま〜に呼び出されて、料理を作ったりしたが、それもいい思い出だ。
津田「・・・俺も行くか。」
ヘルメットを持ち、バイクへ向かう。
修理された愛車は、綺麗になって帰ってきた。
これに乗せたのも後にも先にも早川だけだったな。
「津田さん!!」
聞き慣れた声がする。
津田「早川。」
早川「引っ越しちゃうの?」
津田「あぁ、これが警察官の決まりだ。通勤の1時間半圏内にいないとあかんからな。」
早川「そんな・・・、もう津田さんに会えやんの?」
津田「同じ坂道市内だから、時間が有れば会えるさ。俺は、もうこりごりだけどな。」
笑いながら言うが、早川は真剣に受け止めたらしく
早川「そんなこと言わんといてや!!」
泣きそうな顔をして俺に抱きつく。
早川「いやや、津田さん・・・」
津田「冗談やって。たく、お前は・・」
早川「津田さん。」
津田「なんや?」
早川「これから、私のこと聖来って呼んでや。」
津田「う〜ん、考えとく。」
早川「離れるんやったら、呼んでや!」
津田「はいはい、聖来。」
早川「うん!津田さん!」
津田「じゃ、行くぞ。」
早川「津田さん!また部屋に行ってもいい?!」
津田「いいぞ。そのかわり材料ちゃんと買ってこいよ。」
早川「うん!!津田さん!またね!!」
津田「またな。」
ヘルメットを被り、バイクのアクセルを吹かせる。
そして櫻坂区へ行く。
早川「津田さ〜ん!!」
大きく手を振る聖来。
俺は、見えているかどうかわからないが、聖来の幸福を祈って、あのハンドサインをする。
次は、どんな事件や出会いをするんだろうな。