新人警察官は駆け上がる





































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第10章 越える一線
久々に来たうるさくて優しい奴
休みの日、ゆっくり寝たいのに玄関が勢いよく開く。
バタン!!
「来たよ〜!!」
聞き慣れた声にドタドタと響く足音。
そして寝室にまで来る。
「おはよ〜!!」
津田「うるさい・・・。」
寝ながら耳を塞ぐ。
「起きてや!!久々に来たんやで!」
津田「寝させろ。」
「そんなこと言わんといてや!んも!」
タオルケットを取られる。
津田「たく、せっかくの休日なのによ。お前は、いつもうるせぇーよな。」
早川「もう!津田さんが心配やから来たんやで!」
津田「はぁ〜、1番来て欲しくない人物だったわ。」
早川「なんでよ!!」
津田「今日は、1人か?」
早川「後から来るで!さくちゃんにかっきー!それに4期生がい〜ぱい!」
津田「はぁ〜、それやったら色々準備しやなあかんな。」
早川「それやったら買い物行こ!!」
津田「お前が仕切るな。」
俺は、早川の頭をぐちゃぐちゃにする。
早川「やめてよ〜!!」
津田「そういえば、近くに業務スーパーできたからそこに行くか。」
早川「早く行こ!あと、みんなからお金もらってるで!!」
津田「早く行くか。」
〜〜〜〜
早川「重い〜。」
津田「たく、何が私が持つ!だ。全然もててねぇーじゃねぇーか。」
色々買ってきた。
俺の部屋に10人以上入ると聞いたから結構な材料を買ってきた。
まぁ、パーティー料理はいくらか作ったことがあるからいいか。
早川「あと2時間後くらいで来るって!」
津田「そうか、ちょっと休憩させてくれ。」
俺は、ソファーに座る。
腕で目を隠して、少し寝ようかと思っていると、足に重みを感じる。
見てみると、早川が寝ていた。
津田「何してんねん。」
早川「私も休憩。」
津田「休憩するくらい疲れてないだろ。」
早川「ええやん!」
津田「はぁ〜、お前さんは・・・」
背もたれにもたれる。
早川「なぁ、津田さん。」
津田「ん?」
早川「いつもの振る舞いをしているって思ってるかもしれんけど私は、前の津田さんの方が一緒にいてて居心地よかった。」
津田「そうか。やっぱりわかるか。」
早川「山下さんと梅澤さんから聞いたけど少し明るくなったって。けど、津田さんの明るさはこんなもんじゃないでしょ?」
津田「う〜ん。そうだな。けど・・・」
異動が決まったことを言うか。
けど、これは内部情報だ。
津田「北村さんが現場復帰してくれれば元気になってたと思うわ。」
早川「そんなにすごい人なん?」
津田「あぁ、あの人と初めて会った日と過ごした日々を聞くか?」
早川「聞きた〜い。」
津田「じゃ、ちゃんと聞けよ。」

満腹定食 ( 2021/06/08(火) 20:21 )