第7章
04
「只今より、卒業式を始めます。」

司会の挨拶で優希達の卒業式が始まった。優希は出席順からして後ろの方だ。

(しかし人めっちゃ多いな。やっぱ卒業式って凄い。)

優希がそう思っていると、卒業証書授与式が始まっていた。

(俺は後ろの方だから、まだまだだな。先に呼ばれるのは悠太とかはるっぴか。それより先は麻友と愛佳か。)

優希とクラスが違う愛佳達のクラスが先に始まった。愛佳は壇上に上がり、証書を授与し階段を下りてきたが、その姿は凛々しかった。

(愛佳泣くかと思ったけど、意外だな。)

その後麻友も終わり、優希達のクラスだ。担任の指原先生がマイクの前に立ち、生徒の名前を呼んだ。

(先ずは悠太だな。)

悠太が呼ばれたが、悠太はなんと…

(え…あいつ泣いてる?嘘だろ…あれ程俺に言っといてあいつが泣いてるとは…)

悠太はガチ泣きだった。これには愛佳達もびっくり。

(悠太泣いてる、笑っちゃう。)
(悠太って涙脆いんだ。)
(優希じゃなくて悠太かよ。まさかの意外やわ…)

その後尚・遥・真央・隆史と呼ばれ、いよいよ優希だ。

「向井地優希。」
「はい。」

優希は呼ばれ壇上に上がり、証書を授与された。そして優希は下に下りた。泣きはしなかった。席に戻る途中、親の姿に優子・美桜、さらには咲良の姿も見えた。

(ほぼ勢揃いじゃん。いないのが美音と柊ぐらいか。)

その後式は順調に進み、卒業生代表で元生徒会長の岡田が答辞を読んだ。

(流石元生徒会長だな。そういや岡田も泣いてなかったな。唯一泣いてたのは悠太だけだったな。)

そして卒業式は何もトラブルなく終わった。結局泣いたのは優希ではなく悠太だった。悠太は最後まで泣いていた。

■筆者メッセージ
上手く言葉に表せない部分あるかもしれませんが、ご了承ください。
夜明け前 ( 2018/11/22(木) 17:27 )