美しい桜と音-3学期編- - 第5章
04
翌日…両親に福岡に住むことを伝えた優希は、美桜とデートをしていた。優希は美桜に昨日の夜に親に言ったことを伝えた。

「優ちゃん夜中に言ったんだ。」
「いつ言おうかずっと迷ってたんだけど、昨日姉ちゃんに『早く言わないとダメよ?』って言われたからさ…」
「お義姉さんにも言ったんだ。」
「昼間にね。」

だが、優希にはまだ伝えれいない人もいる。麻友以外の友達にも言っていない上に、妹の美音にも言えていない。

(みんなにはどっかで言わないとダメだけど、美音にはどうしよかなぁ…)

優希はまだ悩む日は続く…

「よっ!優希。」
「悠太。」
「デートとは羨ましいなぁ。」
「麻友は?」
「愛佳ちゃんと買い物だとよ。」
「だから、1人寂しく散歩か。」
「うるせーよ。」
「まあまあ…それより悠太君、私達に何か話あるの?」

美桜から聞かれた悠太は急に真剣な表情になった。

「どうした悠太?」
「前に言ってたカラオケだけどさ…」
「ああ…前Wデートした時に言ってたやつか。」
「そうそう。もうそろそろ卒業式じゃん?だから、最後にみんなで楽しもうって。」
「最後ね…そうだな。で、いつだよ?」
「次の土曜日。真央とか尚には言ってあるし…後はまあ美瑠ちゃんとか。」
「美瑠か…数が多い方が楽しいもんな。」
「おう。てことで、優希と美桜ちゃんよろしくね。」

悠太は去って行った。

「カラオケかぁ…私久々だよ。優ちゃんは?」
「カラオケ?あまり歌わないからさぁ…」
「優ちゃんの歌声聴きたいよ。それより、悠太君が言ってた美瑠ちゃんって?」
「あぁ…文化祭時にほら、荒らしたクソいただろ?あの彼女だよ。」
「あぁ…あの子か。」

美桜は少し顔が暗くなった。美桜にとったら嫌な思い出だからである。

「で…でも、あの子は静かだし大丈夫だよね?」
「まぁ…静かだけど…うん。」

優希も優希で美瑠には嫌な思い出しかなかった。

夜明け前 ( 2018/08/26(日) 17:09 )