美しい桜と音-3学期編- - 第4章
07
麻友がシャワーを浴び終わると、優希が最後にシャワーを浴びに行った。優希はシャワーを浴びながら思った。

(麻友がいるのは別に問題はない。悠太がまさかのドタキャンしたからな…あいつは滅多にドタキャンなんかしない奴なんだけどさ…寧ろ俺の方が多いけど。しかし…美桜と2人っきりだと思ったけど、何もしなかったら普通に終わるだけだ。)

優希はそう思うとシャワーを浴び終え、洗面所から出た。出るとベッドでは既に美桜と麻友は寝ていた。

(てか、俺の場所ないじゃん。)

優希はしばらく立ったままだったが、美桜と麻友が起きないように間に入り、横になった。

(辛うじて間があったわ。けど…やっぱ狭い。あかん…寝れない。)

かなり窮屈となっていたので、優希は寝ることができなかった。一回でも寝返りうったら美桜にも麻友にも当たってしまう、そう思うと寝返りはうてない。

(やっぱ出よかな…)

そう思ったその時…美桜が優希の上に乗っかった。優希は下に埋もれた。

(マジかよ…これで完全に動けないじゃん。これで麻友も上に来たら…)

そう思っていたらなんと…麻友まで上に乗っかった。もう優希は身動きすら取れない。

(おいおい、俺このまま窒息死するんじゃない?なんとかしてどかさないと…)

優希は起こさないように美桜と麻友を元の場所に戻そうとしたが、美桜の上に麻友がいるので、流石の優希の力でも元に戻せない。すると、美桜は目が覚め優希を見るとクスリと笑った。

「優ちゃん…何エッチなことしてるの?」
「馬鹿言うな、お前が寝返りうってこんな状態にだな…」
「嘘ばっかり。」
「嘘じゃねえよ。」
「んふふ…ん?麻友ちゃん…優ちゃん2人を襲おうとしたの?」
「だから違うって、お前ら2人が俺の上に乗って来てだな…」
「またまた…」
「仮にそうだとしたら、俺の手は解放されてるだろ?俺の手は今動けない、これでわかっただろ?」
「やっぱ優ちゃんエッチ〜!」
「ちゃんと聞いてたか?」

始めは小声で言い争っていたが、段々とお互い熱が入りもう麻友は放ったらかし状態だった。ついには…

「んん…」
(やべ、麻友起きた?)

麻友は薄っすら目を開けた。そして…

「んん…悠太…」
「え…」

寝ぼけている麻友は優希を悠太と勘違いし、なんと美桜いる前で優希にキスしてしまった。身動きが取れない優希は受け止めるしかなかった。これに嫉妬したのは美桜だ。

「うう…麻友ちゃんずるい。」
「落ち着け美桜、麻友はただ寝ぼけてるだけ…」
「優ちゃんは私だけだよ。」
「ちょ…おい!」

この状態…一体どうなる?

夜明け前 ( 2018/07/21(土) 14:47 )