第4章
04
腹ごしらえを済んだ4人はWデートを始めた。と言っても、優希と悠太は美桜と麻友の荷物持ちだった。優希は慣れっこだから屁でもなかったが、悠太は疲労が半端なかった。

「ちょっと休憩…」
「悠太情けないよ、ほら早く。優希君を見習ってよ。」
「そうは言うけど…」
「優ちゃんは平気?」
「まあな。これまでに何度か荷物持ちしてるし…しかし、2人いっぱい買ったな。」
「そうかなぁ?」
「ま、悠太死にかけてるし休憩するか。」
「もう…悠太ったら。」

怒涛で買い物したので、4人は休憩した。休憩早々悠太はテーブルに突っ伏した。優希は悠太の姿を見て笑ったが、麻友は申し訳なさそうな顔をした。

「優希君ごめんね。」
「気にすんなよ。」
「悠太君そんなに慣れてないのかな?」
「まぁ悠太一人っ子だしな。姉ちゃんとか妹がいたら慣れてるかもしれんし。」
「そっか。優希君は美音ちゃんいるから慣れてるのか。」
「俺も悠太みたいに一人っ子だったら同じだろうし。たまたま俺には美音がいただけ。ま…姉ちゃんもいるけど。」
「え…優希姉ちゃんいるの?」

さっきまで突っ伏していた悠太は優希から“姉ちゃん”というフレーズを聞いて突然顔を上げた。

「びっくりしたな悠太。」
「お前って姉ちゃんいたの?」
「ほんとそういうのには敏感だな。」
「私がいるのに…」
「う…いや、優希ほんと?」
「血は繋がってないけどな。」
「なんだよ優希、可愛い妹もいて姉ちゃんもいるなんてよ…」
「お前に言ってなかったか?尚だったかな…どっちでもいいや。」
「あ…思い出した。優希、今度みんなでカラオケ行く予定なんだけど、優希来るだろ?ほら、この前は優希福岡行ってたし、尚は家でごちゃごちしてたし…」
「カラオケか…ボーリングは?」
「ボーリングか…それも思ったんだけど、やっぱみんな盛り上がるのはカラオケかなって…」
「カラオケよりボーリングだろ。」
「優ちゃんの歌声聞いたことないなぁ…私カラオケがいい。」
「確かに。優希君がカラオケにいるイメージないし、カラオケに決定!」
「ちょっと待てよ。俺そんなに歌上手くないんだけど…」
「場を盛り上げるだけでもいいからさ。えーと、メンバーは俺に麻友に優希に美桜ちゃん…」
「なんか勝手にメンバーに入ってるんだけど…」
「優ちゃん細かいことは気にしないの。」
「へいへい…」
「後はらぶたん・真央君・隆史君・尚君。あ…優希君、咲良ちゃん来れるかわかる?」
「それは聞かないと知らんけど、多分咲良んとこの学校も休みだと思うけど。」

近いうちに優希達はカラオケをすることに決まった。何人で行うのかはまだわからない、前回よりかは多いのは確かだ。

夜明け前 ( 2018/07/09(月) 17:57 )