第4章
01
「優希はあれか、卒業式まで休みか。」
「そう。だから、これからが暇なんだよねぇ…」
「いいなぁお兄ちゃん。代わりに学校行ってよ。」
「何馬鹿なこと言ってんだよ。」
「ぶぅ…」

優希は卒業式まで休みのため、これからしばらくほぼ家にいることになる。遥はこの休みの間に両親のところへ行くとのこと。

「優希、暇だったら私の買い物付き合って。」
「そう言うと思った。買い物って多いの?」
「それなりにね。じゃ、行くよ。」

優希は優子の買い物に付き合うため家を出た。その後、優希の母も買い物に行き美音も学校に行った。昼前、優希と優子は帰って来た。

「外出ないとまずいな。」
「そうよ。あんたニートになるわよ?」
「嫌だなぁ…義姉ちゃんの買い物に付き合ってる方がマシだな。」
「よく分かってるじゃない。」

まだ母は帰って来てなかった。

「しかし優希、就職でしょ?ある程度準備出来たの?」
「まぁ…一応。」
「何一応って…入社早々迷惑かけたらだめなんだからね?」
「わかってるけどさぁ…」
(てか、ほんとは就職しないんだけどね。)

優希は心の中でそう呟いた。実は数日前、優希は担任の指原先生に例の件を話していた。

「先生、実は俺卒業したら福岡行くんです。だから、内定貰ったんですけど…」
「優希君急ね。えーと、彼女さんとこだっけ?」
「はい…わがままでほんとすいません。」
「仕方ないよね、わかった。先生なんとかするから、頑張って来てね。福岡住んだらそこで仕事探すの?それとも大学?」
「どちらかにはなると思いますけど、まだ詳しくは決めてないです。」
「わかった。じゃ、卒業式ね。」
「はい。」

誰にもまだ例の件は伝えてなかったが、先生には伝えなきゃと思い伝えた。まだ親・美音・優子・悠太達には言っていない。言わなきゃいけないとは思ってるが、言う暇がなかった。

「なんか眠くなってきた…」
「太るわよ?」
「そんな体型変わらないから大丈夫だって。」
「後で後悔するのはあんたよ?」

なんて話をしてると…

ピンポーン

「誰か来たわね。」
「はるっぴかな?」
「私行ってくるわ。」

優子は玄関に向かった。すると…

「優希、ちょっと来なさい。」
「え…俺?なんか用なんか?」

優希は呼ばれて玄関に向かった。すると玄関にいたのは…

夜明け前 ( 2018/07/02(月) 17:28 )