第3章
06
それから何週間か経っただろうか…岡田と会うことはぱったりなくなった。また、わざわざ岡田が優希達のところに来ることもなくなった。

「最近岡田さん来なくなったね。」
「優希との掛け合いなくなったの寂しいな。」
「馬鹿なこと言うなよ。俺は大迷惑だったんだからな?」
「まあまあ…でも、これで優希のイライラがなくなったんだし…優希よかったんでしょ?」
「勿論だ。」

もう岡田と会わなくて済むと思うと、優希はホッとした。だが…

「みんなー!」

麻友が慌てて優希達の元にやって来た。明らかに慌てている状態だった。

「どうしたのまゆゆ?」
「岡田さんが…」
「岡田さんがどうしたの?」
「誰かに拉致されたらしいの…」
「え…マジ?」

悠太はびっくりした。勿論他の奴らも驚いていたが、唯一優希だけ驚かなかった。

「おい優希、岡田さんが拉致されたんだぞ?」
「2回言わなくたってわかる。」
「だったら少しは驚けよ。嫌いなのはわかるけど、お前も前に白間さんに拉致されたの覚えてるだろ?」

優希も拉致をされた身だった。2学期…白間に拉致された。白間の元カレは勝、優希が一番嫌いな奴だ。その勝の彼女だった白間に拉致をされたのだ。あの時助けたのは悠太達だった。

「俺達が助けに来なかったら、あの時お前意識なかったの覚えてるだろ?」
「それは…」
「下手したら死んでたかもしれないぜ?大袈裟かもしれないけどさ。」
「悠太の言うとおりよ優希。悠太達が来なかったらあんた…誰にも知られずにこの世からいなかったかもしれないのよ?」

悠太・愛佳が優希に説得した。今回と前回とは確かに違う。悠太らは優希と仲が良かったから助けに来た。しかし、悠太らと仲が悪かったら助けになんか来ない。

(確かにそうだよな。それに俺、岡田を拉致したの大体検討ついてるし…助けに行くか。)
「わかった。」
「よし、優希行くか。」
「待って!」
「え…白間さん?」

白間が優希達の元にやって来た。白間と会ったのはあの時以来か?

「白間さん何でここに?」
「私も一緒に行っていいですか?」
「え…白間さん、岡田さんと関わりあるの?」
「私…岡田さんを拉致した人見たんです。」
「それは頼もしい。優希連れてく?」
「ああ。俺も大体検討ついてるし…」
「優希も知ってるのか。じゃあどうする?全員で行くより…」
「じゃあ、俺と悠太と愛佳と白間が岡田を助けに行くか。」
「ちょっと優希、何で私が勝手に助けに行く方なのよ?」
「まあまあいいじゃん愛佳ちゃん。」
「優希、俺達は先生とこ行けばいいんだな?」
「尚達はそうだな…尚。」
「ん?」
「早く呼んでくれな。」
「ああ、任せとけ。」

優希達はすぐ岡田を助けに向かい、尚達は職員室に向かった。

■筆者メッセージ
超久々に更新しました。
夜明け前 ( 2018/05/10(木) 09:06 )