第3章
05
その後も事あるごとに岡田と会ってしまい、優希のイライラは益々募るばかり。狙ってるわけでもない。何故か行く場所行く場所に岡田がいる。優希は完全に岡田をストーカーにしか見えなかった。

(何で俺が行くとこにあいつがいるんだよ?完璧にストーカーじゃん。あれをストーカーを呼ばない奴がいない。女のストーカーがいるんだな。)

一方の岡田も同じ思いだった。

(何故あいつと会ってしまうんだ?会いたくもないのに何故…あいつは私をストーカーと思ってるかもしれないが、私にとったらあいつがストーカーじゃないのか?次会ったらはっきり言いつけてやる!)

しかし数日後…またしても優希と岡田は会ってしまった。

「げ…またあいつ…ん?」

立ち去ろうと思った優希だが、岡田が数人に囲まれてるところを見逃すわけにはいかなかった。

「おいお前ら!」
「あ?向井地優希か。」
(向井地、何故またここに?)
「元生徒会長を数人で囲んで、何するつもりだ?」
「お前に関係ないだろ?消えたらどうだ?」
「そういうわけにはいかないな。見てしまったもんを見逃すことはできないからよ。」
「チッ…」

男数人のグループはその場を立ち去った。後々面倒になると思ったのか?危ないところを助けられた岡田、しかし優希は何も言わず立ち去ろうとした。

「待て向井地。」
「勘違いすんなよ?俺はただ、見逃してはいけないものを見たから、お前を助けただけだからな?」
「あんたに言われなくてもわかるわよ。でも、今回ばかりはお礼を言っとくわ。」
「思ってもないこと言いやがって…あまり1人でウロチョロすんなよ。また同じことの繰り返しになるからな。」

そう言って優希はその場を立ち去った。

(なんだ向井地、案外優しいとこあるのね。意外だわ…やだ、何言ってるんだろ私。あんな奴別に…)

もしかして岡田は優希に惚れた?岡田は慌てて教室に戻って行った。

夜明け前 ( 2018/04/08(日) 17:53 )