美しい桜と音-3学期編- - 第3章
02
その後授業が始まった。担任の指原先生も優希・尚が登校して来たので嬉しかった。だが、全員は揃わなかった。今日は残念ながら隆史が休みだった。

「やっとみんな揃ったと思ったら、今度は隆史君が休みか。みんな、体調管理はしっかりね。それと優希君と尚君、2度と起こさないでよ?後々大変なんだから。」
「はーい。」
「もう…みんなに迷惑かけたんだからね?後2ヶ月ちょいで卒業なんだから。」

もうすぐ優希達は卒業だ。だが、卒業前に優希と尚は出校停止を受けたので、先生らにとったら慌てた。あまり騒がしくない2人がよりによって問題を起こしたのだから…その後もいろんな先生から、優希と尚は忠告を受けた。勿論山本先生にも。

「ほんまあまり騒がしくない子が一番危険やなぁ。」
「先生もっと言っていいですよ。こいつら結構言わないと、あまり心に響かないと思うんで。」
「まあ確かにそうやけど、一番危険なのは悠太君やで心配やわ。」
「何で僕なんですか?」
「見た目そのままやで。」
「えー…」

悠太はがっくりと項垂れた。それを見て優希は笑った。

(相変わらずだな悠太。ま、久しぶりの光景だな。)

懐かしく感じた。午前中の授業が終わり、昼休みに入った。麻友と愛佳が来た。

「優希らがいない時から、みんなでご飯食べてるの。」
「そっか。ま、みんなで食べた方が寂しくないしな。」
「優希って意外と寂しがりやだもんな。」
「違うわ!」
「意地張るなよ。」
「張ってないわ!」
「はいはい、せっかくのご飯が不味くなるから。言い争うんだったら他行って。」
「悠太が悪いんだからな?」
「優希ってたまにガチでキレるからなぁ…」

優希と悠太の言い争いもしばしばある光景だ。しかし、出校停止後では久々の光景だった。と…

「向井地優希だな。」
「ん?」

名前を呼ばれ振り向いた。後ろには初めて見る女子生徒がいた。

■筆者メッセージ
この女子生徒とは…名前は次回で。
夜明け前 ( 2018/04/02(月) 18:09 )