第2章
05
そして尚は咲良の家へ向かった。家に着くと咲良が出迎えに来ていた。

「ごめん、待った?」
「ううん、大丈夫だよ。今日親いないんだ。だから、尚君誘ったの。あ、“尚君”じゃなかった、尚だった。」
「別に大丈夫だよ、無理して呼び捨てしなくても。俺は“咲良ちゃん”って呼んでるから。」
「彼氏なんだから呼び捨てでもいいんだよ?」
「近いうちにそうするよ。」
「近いうちって…ほんと優ちゃんと一緒だなぁ。」
「え…優希と?」
「うん。私は“優ちゃん”って呼んでるのに、優ちゃんは私のこと“さくちゃん”って呼ばないんだよ?」
「確かに優希は呼ばないな、咲良ちゃんをさくちゃんね…」
「それより中入ろ?」

咲良に手を引っ張られ家に入った。咲良の言う通り誰もいなかった。

「あ…これ俺の荷物。」
「お母さん達とわだかまり解消したんだったら、ずっといるのはおかしいからさ。」
「そうだね、ありがと咲良ちゃん。」
「はぁ…尚とずっといれると思ったのに…もうお別れか。」
「ちょっと咲良ちゃん…人聞き悪いよ。卒業したら一緒に過ごそうよ?」
「尚…いいの?」
「いいよ。それに母さん今日言ってたんだ、『彼女連れて来なさい。』って。」
「え…ほんと?緊張するなぁ…」
「大丈夫だって、咲良ちゃんはいつもの咲良ちゃんでいいから。」
「うん。尚…好き。」
「咲良ちゃん…」

まだ玄関だったが、2人は唇を合わせ深いキスをした。そのままリビングへ向かうと、尚は咲良の服を脱がした。

「尚…息荒いよ?」
「そんなことないよ、咲良が勝手に思ってるだけだよ。」
「絶対荒い、鼻息すごいもん。」

そんな言い争いしながら、尚は咲良の胸を後ろから揉んだ。咲良は尚に凭れた。

「んんん…尚、激しいよ。」
「咲良ちゃん…やっぱいやらしいね。」
「やっぱって…尚に言われたくない。」
「優希の言う通りだ。」
「優ちゃんに…聞いたの?」
「まあね、優希ベラベラ言ってたよ。」
「うう…優ちゃんの馬鹿。」

尚は咲良と付き合って少ししてから優希に聞いていた。

「なあ優希。」
「何だよ、咲良のことか?」
「何でわかんだよ。そうなんだけど、咲良ちゃんってエッチの時どうなの?」
「は?」
「優希、咲良ちゃんとエッチしたことあるんだろ?」
「あるけどさ…まぁ、咲良は見た目と違ってすごい変態だからなぁ…」
「そうなの?」
「そのうちわかるさ、それだけで俺を呼ぶな。」

こんなことがあった。優希の言う通りだった。だが、そう優希も咲良とは数回しかしてないが…

夜明け前 ( 2018/03/12(月) 17:58 )