第1章
05
一方、優希・尚の2人を追うのを諦めた悠太ら3人は職員室に向かった。3人がただ祈ってるのは2人がヒートアップしない事だった。

「ちょっと急ごうぜ、その間にあいつら取っ組み合いしてたらやばいって…」
「それは俺だって嫌だよ。でも、優希の目見たか?」
「優希の目?いや、見れない角度やったで見れんかった。まさか優希…」
「ああ…俺初めて見た。恐ろしい目やった。」

大親友の悠太が優希の目を見て恐れていた。昔から知ってるだけに真央・隆史以上に優希が気になって仕方なかった。早足で職員室に到着した。3人は中に入った。先生らは突然現れたので驚いた。

「一体何事だ?」
「すいません…指原先生見えますか?」
「指原先生…えーとな、いたいた。指原先生、生徒達がお呼びです。」

指原先生も悠太達を見つけるとそこへ向かった。と、先生の後ろに誰かいるのが見えた。だが、一体誰なのか全くわからなかったが、近くに来るとその正体がわかった。

「あれ…皆してどうしたの?」
「先生…と、咲良ちゃん!?」
「あ…皆、尚はどこに…」
「皆知ってるの?」
「はい。尚の彼女だって知ってますし、優希の幼馴染なのも知ってます。」
「そうなんだ。でも、今日尚君が朝来なかった理由は皆知ってる?」
「それは知らないです。」
「私も今咲良ちゃんから聞いたの。」

そして先生は尚の事を話した。3人はびっくりした。この冬休みにそんな事があったなんて知らなかった。

「先生…尚のとこ、そんな事があったんですか…」
「うん。咲良ちゃんから聞かなかったら、全くわからなかった。何となく尚君が言いたくない理由がわかった気がする。」
「優希が知る筈ないよな…」
「そういえば優希君は?」
「それが…」

今度は悠太達が今の状況を話した。指原先生の顔が驚いた表情になった。

「えー!?ちょっと、ゆっくりしてる暇ないじゃない。」
「もしかしたら今…」
「とにかく急ぎましょう。咲良ちゃんも来る?」
「はい、尚と優ちゃん止めないと…」
「優希…手とか出すなよ。」

悠太はボソッと呟いた。そして指原先生・咲良を加え優希・尚を探した。その頃優希らはと言うと…

「いいから教室に戻れ。」
「そう簡単に戻るかよ、ふざけた事言ってんじゃないぞ?」
「はっきり言ってな、お前はな…大きなお世話なんだよ!」
「な…今何つった尚、今なら謝ってもゆるす。今何つった?」
「目障りなんだよお前は!」
「言ったな尚…ただじゃおかねえからな?」
「邪魔。」
「尚…俺もそういうの嫌いだったからな、自分の事は棚に上げて人を貶すの。嫌われる奴をずっと演じてれよ。咲良とすぐに別れるな間違いなく。」
「おい!咲良ちゃんに罪はないだろ。」
「誰も咲良が悪いと言ってねえさ、どこかの誰かさんがわがままだから咲良は可哀想だけどな。いつ別れるだろうなぁ…」
「お前…マジで言ってんのか?」
「ああ!」
「そうか、よくわかった。こうなったらお前を殺す!」
「それは俺だって同じだ、お前の体動かねえようにしてやるよ!」

最早2人ともかなりのヒートアップをしていた。悠太達間に合うか?

■筆者メッセージ
優希と尚…どうなっちゃうんでしょう?
夜明け前 ( 2018/01/25(木) 17:30 )