第1章
09
「優希、あなたは今大事な時期なんだから、しょうもない事で出校停止とかアホな話でしょ?」
「わかったから母さん…帰って来て早々説教やめてくれよ。」

帰宅早々母親から出校停止の説教をされうんざりしていた優希を他所に、尚は遥とテレビを見ていた。

「さらに優希君家大所帯になったね。」
「俺が無理言ったからね、明日優希と一緒に親んとこ行くでさ。」
「大丈夫だって、優希君となら安心じゃない?」
「まぁ…そうなんだけど、優希って結構面倒なことに付き合わせちゃうこと多いからさ…申し訳ないと思いながらね…」
「そうなんだ。」

遥はまだ優希のことをそんなには知っていない。何せ美桜の紹介で知ったからだ。尚らより知らないのは当然だ。

「ただいま。」
「美音ちゃんだ。」
「美音ちゃんこの時間に帰って来るんだ。」
「ただいま、お兄ちゃん早いね。あ、遥ちゃーん。」
「おかえり。」
「あれ…えーと、誰でした?」
「忘れちゃったよね、尚だよ尚。ほら…咲良ちゃんと福岡行った時…」
「あー!思い出した、愛佳さんから貶されてた人だ。」
「貶されてた…」
「尚どんまい、こいつそういうイメージしかなかったんかもな。」
「俺は…」

尚は崩れてしまった。まだ本調子じゃないので、モロに効いた。母親が美音を窘めた。

「こら美音、年上の人にそんなこと言っちゃだめでしょ?尚君ごめんね、美音口は達者だから…」
「はあ…なぁ優希。」
「なんだ?」
「お前のお姉ちゃんはどこだ?」
「知らねえよ、買い物とか行ってんじゃないの。俺が全部把握してるわけないだろ。」
「だよな、後お前のお父さんは?」
「仕事じゃない?」
「ふぅ〜ん…」
「少しは落ち着けよ、キョロキョロしすぎ。」

優希の家に来て数時間経つが未だ落ち着きのない尚を、優希はため息をついて窘めた。

夜明け前 ( 2018/02/02(金) 18:01 )