第5章
08
さて、優希と美桜が新たな1年を迎えたが、優希達の仲間はどのような大晦日・正月を迎えたのだろうか?先ずは、悠太・麻友カップル。クリスマスは優希達同様デートをしたが、大晦日は悠太の家で新年を迎えることになった。

「私達2人で新年を迎えるのか。悠太楽しみだね。」
「父さんと母さんが旅行行くとは思わなかったけど、まぁ2人きりの方が邪魔されないし。」
「そうだね。ねぇ悠太、優希クリスマスっていつ帰って来るの?」
「さあな、始業式前には来るだろ。」
「それはそうだけど…連絡ないの?」
「ない。あいつがわざわざするとも思わないし。」
「そうだけどさ…」

確かに優希はそんなんで連絡するような奴ではない。だが、少しは気にならないのかと思った麻友だった。そして、悠太と麻友は正月は2人で初詣に出かけた。

「う〜…寒!」
「正月からこんな冷え込むとは思わなかったよ。あ…らぶた〜ん!」
「まゆゆじゃん、明けましておめでとう。悠太も。」
「愛佳ちゃん1人?」
「まあね。はぁ…早く付き合いたいよ。」
「らぶたん最近ずっと言ってるもんね。いっそのこと真央君か隆史君と付き合ったら?」
「やだよ、あの2人のどちらかと付き合ってもさ…なんかこう…上手くやってけないというか…」
「確かにな。真央はあまり女の子と話すの苦手だし、隆史は人の気持ち考えずに言うことあるしな。」
「ほんとは優希がよかったんだけど…美桜ちゃんには敵わないし。」
「卒業までに付き合えたらいいね。」
「うん…」

なんとかこの3ヶ月の間で愛佳は付き合えるのか?一方、悠太らの話で名前が挙がった真央と隆史はというと…クリスマスの日に言ってたように2人で初詣に行っていた。

「隆史あけおめ。」
「あけおめ。てか、男2人で行く初詣ってなんだよ?」
「仕方ないじゃん、どっちも彼女がいないんだし…」
「なぁ、愛佳ちゃんと付き合ったら勝ち組だよな?」
「馬鹿言うなよ隆史。俺は愛佳ちゃんとは無理だと思う。」
「何でさ?告白もしたことないのに分かる訳ないじゃん。」
「いや〜…だって愛佳ちゃん優希が好きなんだろ?俺ら2人とも優希みたいにさ、かっこよくないしモテないし…無理に決まってるよ。」
「確かに愛佳ちゃんは優希が好きだけど、優希は美桜ちゃんがいるんだよ?」
「そんなもん言われなくたってわかるよ。だけど、愛佳ちゃんは多分俺らを恋愛対象としては見てないよ。」
「それはまぁそうだけどさ…新年早々落ち込ませるか?」
「すまん。だから俺…1人で新しい恋探す。昨日決めた。」
「マジか…俺は1回愛佳ちゃんに告ろかな…」
「やめとけって、砕け散るぞ。」
「やってみないとわかんないだろ?」

隆史と真央は神社のところで、珍しく言い争いをしていた。続いては美音達、クリスマスを美音・遥・愛佳・柊の4人でパーティをした。この4人で大晦日・正月を迎えた訳ではなかった。先程も出たが、愛佳は1人で大晦日・正月を迎えた。柊は家族で大晦日・正月旅行に出かけていた。となると、美音と遥は一緒に大晦日・正月を家で迎えるしかなかった。

「みんないいよなぁ…それぞれの行事があって。私は1人か…遥ちゃんも。」
「でもさ、2人で住んでるわけじゃないからさ。確かにみんなとは会えないけど、私達は私達で新年楽しく迎えようよ?」
「う〜ん…」

美音は少し納得がいかなかった。美音はみんなと楽しく迎えたかった。しかし、兄の優希は美桜のとこへ、悠太と麻友・尚と咲良も付き合ってる以上2人で過ごしたいに違いない。愛佳や柊、それに真央・隆史もそれぞれ予定があれば会えない。結局は美音と遥の2人しかいなくなる。

「嫌だなぁ…」
「お兄ちゃんに会いたい?」
「うん…お兄ちゃん、元気にしてるかな…」

今頃兄は何をしているだろうか?

ピンポーン

「誰だろ?はーい…」

美音は玄関に向かう。すると、家にやって来たのは…

「え…お、お義姉ちゃん!?」
「美音元気だった?お義父さんとお義母さんは?」
「今出かけてるよ、お兄ちゃんは福岡行ってるし。」
「優希は福岡に?もしかして彼女?」
「お義姉ちゃん鋭いよ。何で知ってるの?」
「これぐらいになったら大体わかるよ。」

優希の家にやって来たお義姉ちゃんとは?そして、ラストは尚・咲良カップル。この冬、知ってるとは思うが尚は家を飛び出し咲良の家に居候中だった。家に帰りたくない、帰ればまたガミガミ言われる…今の尚には苦痛でしかなかった。そんな尚は咲良の家で新年を迎えた。咲良の両親は尚のことを気の毒に思っていた。

「尚君とこはなんだ…ちょっと度が過ぎてるというか…」
「大きなお世話なんですよ。いちいちうるさいし、少しぐらい自由にさせて欲しいのに…何で高校生にもなって付き合ったらだめなんだよ…」
「心配してるんじゃないの?」
「心配というレベルではないですよ、俺はもうそこまでガキじゃない。ある程度は出来る。それに甘く見過ぎ。」
(尚君…こんなに不満を言うなんて…よっぽど親を嫌ってるんだ。彼女として…私何をしたらいいんだろ…)

今の咲良にはどうすればいいのか全くわからなかった。いつわかるのか、それはわからないが尚を助けたい。そう…優希に言ったみたいに。

【今度は私が優ちゃんを助ける。私が相談相手になるよ。】

相談ではないが、彼氏の尚を助けないといけない。不安でしかないが、いつまでもそう言えない…咲良の頑張り次第だ。

■筆者メッセージ
優希の家に来たお義姉ちゃんとは誰だと思います?ヒントは今年何かと話題になった人です。これ以上言うと分かっちゃうんで言いません。
夜明け前 ( 2017/12/16(土) 18:04 )