第3章
01
「優ちゃん行こー。」
「まだ朝早いだろ…」

ついにこの日がやってきた。クリスマス・イブだ。まだ朝早いとはいえ、もう美桜は朝からウキウキしていた。

「ねぇ…行こうよ。」
「行こうって…夕方からじゃあかんの?」
「だって〜…待ちきれないもん。」
「わからんでもないけど、俺まだ眠いんだけど…」
「あー優ちゃん…寝ちゃった。」

こんな朝早くから起こされ、優希はまた寝た。美桜は揺すったりしたが、優希は寝続けた。

「はぁ…いいや。優ちゃんの寝顔可愛い。」

美桜はそう言うと下に下りた。

「優希君は?」
「寝ちゃった。『まだ朝早いだろ…』って言って寝てる。」
「そうか、確かにまだ早いか。優希君は朝あまり得意じゃないのかな。」
「う〜ん…優ちゃんそんなことないと思うけどな…」
「でも、美桜ほんと幸せだな。優希君というかっこいい男の子と付き合えて。」
「うん。」
「あら、優希君まだ寝てるの?」
「うん。」
「そう…イブだから朝からはりきろって思ったけど…」
「え…じゃあ、また優ちゃん起こしてくる。」

美桜はそう言うと上に一目散に上がった。部屋に入ると当然優希は寝ていた。

「優ちゃん!」
「んん…まだ寝させろって。」
「ふぅ〜ん…ここは元気なのにね。」
「ちょ…馬鹿美桜。」
「えへへ…お母さんのご飯より、先にここいただきまーす。」

そう言うと美桜は優希の一物を咥えた。

夜明け前 ( 2017/10/20(金) 10:32 )