第2章
05
「きっかけは…お姉ちゃんからなんです。」
「美桜?」
「はい、お姉ちゃんからの誘いというか…半ば強引というか…」

聞けば、美桜が転校しその高校で部活の部長を務めてたらしい。その時に美桜が奈子・美久を誘ったのだ。

「で、何人いたの?」
「最初は10人ぐらいいたんですけど、年頃の女の子達ばっかだったから…」
「人が減ってって…」
「最終的にはお姉ちゃんと私と奈子ちゃんだけで…」
(3人は部活というよりサークルだよな…いや、サークル以下?)
「一応顧問の先生もいたんですけど、部活にならないって言って、解散とうう消滅を…」
「そういうことね。」
「その後私と奈子ちゃんは、吹奏楽に入ってお姉ちゃんも誘ったんですけど、お姉ちゃんすごいショック受けてて…」
(誘える雰囲気じゃなかったんだ。)

その後美桜は帰宅部になったんだとか…こんなことがあったなんて、優希は勿論知らなかった。てっきり2人の趣味だと思ったが、美桜からの誘いだとは思いもしなかった。

(今の美桜では考えられんな。そうだ…今から帰ったら美桜に…よし!)
「お兄さん、私達の我儘に付き合ってくれてありがとうございました。」
「ううん…君らと美桜の関係がわかったよ。それとさ、美桜が着てたそういう服ない?」
「お姉ちゃんの…あ!ちょっと待ってください。」

美久は探しに向かった。

「お姉ちゃんに着させるんですか?」
「奈子ちゃん鋭いね。でも、見せないことにはわかんないからね。」
「お姉ちゃん着るかな…」
「意外と乗り気かもね。」
「お兄さんありました。どうぞ、元々お姉ちゃんのだったんですけど、私がずっと預かってて…」
「ありがと。」

2人は玄関まで見送ってくれた。

「美桜に言っとくよ。」
「はい。」

優希は去って行った。

「お姉ちゃんの服持ってって、お兄さん何させるの?」
「着させるんだって、着るかどうかはお姉ちゃんの判断だけど。」
「多分着ると思う。」
「でも、お兄さんの彼女だから恥ずかしいって言って、着ないと思うよ。」
「そうかな…さ、奈子ちゃん今日よるどうしよ?」
「う〜ん…何でもいいよ。」
「奈子ちゃんらしいや。」

そう言って、2人は家に入った。

夜明け前 ( 2017/10/01(日) 17:54 )