第1章
04
「優ちゃんさっきはごめんね、それとありがと。」
「気にすんなって、初めて一緒に作ったけど上手く出来たし…」
「優ちゃんが彼氏でよかった…」
「どういうことだよ?」

一緒に作った昼ご飯は、ちょっとしたアクシデントもあったが、無事成功に終わった。優希はまたリビングで寛いでいた、美桜は後片付けをしていた。と、電話がかかってきた。相手は真央だ。

「もしもーし、真央どうした?」
《優希?やっぱ福岡行ってたんだ、羨ましい…》
「誰から聞いたんだよ?」
《尚にさ、そしたら『優希ならこの冬休み福岡行ってる。』って言ってたからさ、ほんとかな…って…》
「だからってわざわざ電話する必要ないだろ?」
《そんな固いこと言うなよ。で、今美桜ちゃんと一緒なの?》
「じゃなかったら、何の為に福岡行くんだよ?」
《そんな怒るなよ、じゃ土産楽しみにしてるから。じゃあな。》

そう言って真央は電話を切った。

(それだけのために電話してきたのか、確かに真央には言わなかったけどさ…はぁ、あいつには一から十まで言わなきゃダメなのか?いいや、なんか眠なってきた…)
「ふぁ〜あ…ってびっくりした!」
「優ちゃん驚きすぎ。」
「驚かねえのがおかしい。で、どうした?」
「優ちゃんの膝枕で寝たい…」
「俺の?」
(そっか…疲れてるよな。)
「わかった、いいよ。」
「ほんと?じゃあお言葉に甘えて…」

優希に膝枕してもらうと、美桜は寝てしまった。

(美桜の寝顔可愛い、幸せそうに寝てる。)

優希は寝ている美桜の髪を撫でた。美桜はしばらく起きない。

(俺も少し寝るとするかな…)

優希もそのまま寝ることにした。そして、数時間後…

「んん…ん?寝すぎちゃった、優ちゃん…寝てる。優ちゃん起きて?」
「ん?美桜起きたのか?」
「うん。優ちゃん膝枕ありがと。」
「大丈夫だったか?」
「うん。すごい寝やすかった。」
「そうか。」
「ねぇ優ちゃん…クリスマスの日、デートしよ?後、正月も。」
「いいよ、どこ行くんだ?」
「それはまだだけど、私クリスマスの日はサンタさんになって…」
「それでデートするのか?」
「違うよ、その格好持ってデート。着替えるのは私のタイミングで。」
「正月は?」
「着物と袴で…」
「成人式じゃん…」
「えー、優ちゃんと私成人してるじゃん。エッチしたし…」
「あのなぁ…」
「冗談だよ冗談。でも、ほんとに正月着物と袴だよ。お母さんに優ちゃんの分、用意してもらったから。」
「そうなの?それなら尚更着ないと…」
「で、今日は夜デートしよ?」
「またいきなりだな、買い物か?」
「うん、サンタの服買うの。優ちゃんの好みがわかっちゃうかも…」
(それを今日買うのね…)

優希にはまだそんなイメージはないが、美桜はかなり想像が膨らんでいた。

夜明け前 ( 2017/09/11(月) 17:30 )