最終章
05
その夜、また電話がかかってきた。相手は彩だ。

「もしもし彩?電話したってことは決めたか?」
【はい。私卒業して真人さんと住みたいです。】
「わかった。ありがと。」
【真人さん…】
「何だ?」
【けいっちは辞めないって言ってました。】
「そっか…まあ恵が決めたことならいいや。」
【『さや姉が代わりに言って。』ってさっき…】
「わかった。美優紀は…」
【わかんないです。とりあえず…】
「ありがとな。」

彩は真人がマネージャーしてただけに離れたくなかったのだろう…恵も同じ思いだろうが、グループにも残りたかったのだろう…これで4人、そして、美優紀から電話がきて美優紀もグループに残ると言った。今の段階で真人と一緒に住むのはハナから卒業してる菜々、高橋・珠理奈・彩の4人…

(あいつは来ないか…)

真人が地味に気がかりになっていたメンバー…それは美音。真人がゾッコンになってしまったメンバー。急いでないとはいえ、気になってはいた。

(まあいいや…4人って言っとこかな…)

真人が秋元先生に電話しようとしたその時…

「あ…」

美音から電話がきた。真人は電話にでる。

「美音か?」
【う…ぐすっ…】

美音は泣いていた。

「美音…どうした?」
【真人さん…何で…何で…】
「ごめんな美音…でもな、仕方ねぇんだ。」
【真人さんと…ずっといたかった…やのに…】
「美音…」

こんだけ自分を愛してくれてる、それを思うと泣けてくる…今から会えるのであれば今すぐに逢いたい…

「ごめんな美音…」
【う…ぐすっ…真人さん…私…卒業…する…】
「美音…住むのか?」
【うん…これ以上離れたくない…真人さんとずっといたい…真人さんと…結婚したい…】
「わかったわかった…それ以上泣くな。じゃあ美音よろしくな。」
【うん…】

ギリギリセーフといったところか?これで決まった。恵・美優紀はグループに残り、高橋・珠理奈・彩・美音・菜々が一緒に住むことに決定した。

「もしもし秋元先生?一緒に住むメンバーきまりました。」
【そうか。誰だ?】
「たかみな・みーおん・珠理奈・さや姉・菜々の5人です。けいっちとみるきーはグループに残るといってました。」
【わかった。なら頼んだよ。卒業とかは私に任せて、その5人頼んだよ。新居はもう決まったからな。】
「はい。ありがとうございます。」
【じゃあな。】

真人は電話を切る。新居も決まった、ここともおさらばだ。

「引越しの準備すっかな。」

真人はそう言うと、引越しの準備に取り掛かった。

夜明け前 ( 2016/02/09(火) 18:47 )