第4章
03
「真人さんってAKBメンバーとは…」
「初めて。」
「皆さんすごいですよ…」
「何がすごいのかわからんけど…」

とにかくまずはAKBメンバーと距離を縮めたいところだ。しかし真人には不安がある…NMBメンバーは自分のことを好いているが、AKBメンバーは自分のことを好いているのか不安である。彩がいるとはいえ、大丈夫とはいえない…

「さや姉?」
「たかみなさん。」

2人を見つけたのは、高橋みなみ。AKBの中心メンバーである。

「秋元先生から『山本たちが来る。』って言ってたからさ、出迎えたけど、その人誰?」
「えっと2ヶ月前に私のマネージャーを担当することになった真人さん。」
「初めまして。」
「高橋みなみです。気軽にたかみなって呼んでください。」
「わかりました。」
「たかみなさん、真人さんに場所案内してもらえます?」
「あ…うん。じゃあ真人さんついて来てください。」

彩はトイレに行きたいらしく、一旦離れた。真人は高橋の後をついて行く…

(背が小さいとは聞いてたけどこんなに小さいとは…)
「真人さん?」
「えっ…ああ…どうしました?」
「なんかぼけーっとしてましたけど…ひょっとして疲れてます?」
「まあ少し…」
「それならマッサージしましょうか?」
「いいですよ…大丈夫ですから…」
「真人さんがよくても私が気になりますよ…」

高橋に引っ張られ向かったのはとある一室…真人は座らされ、高橋はマッサージをする…

「ほんとに大丈夫ですから…」
「何かが起こっちゃいけないですから…」
「それはそうですけど…別に高橋さんじゃなくても彩がいますし…」
「さや姉のこと好きなんですか?」
「ち…違いますよ…何言い出すんですか?」
「真人さんって彼女とかいるんですか?」
「いや…いないですけど…ちょっと高橋さん?」

高橋は今にも真人にキスしようと顔が近づく…

「真人さん?ここですか?」

彩の声が聞こえ、高橋は真人から離れる。

「あれ?たかみなさんも…何してたんですか?」
「何してたって…」
「さや姉…えっと私そんなに場所案内してないから頼むね。じゃあ…」
「えっ…たかみなさん…」

そう言うと高橋は風のように去って行った。

「たかみなさんなんかあったんかな?」

彩は首をかしげる、真人は…

(あぶねー…たかみなとキスするとこやった…彩が来て助かったわ…)

胸を撫で下ろす。一方高橋はというと…

(もうちょいで真人さんと…次こそ真人と…うふふふふ…)

不敵な笑みを浮かべると自分の楽屋に入って行った。

夜明け前 ( 2016/01/30(土) 06:10 )