04
収録は無事に終わり、メンバーはそれぞれ楽屋に戻って行く。その一方彩は恵を探していた。こういうときに限って姿が見当たらない…
「彩ちゃん誰探してんの?」
昨日一緒に食事したみるきーが聞いてきた。
「けいっち探してんねん…」
「けいっちならさっさとここ後にしてたけど…」
「マジで?」
「けいっちになんか用なん?」
「いや…昨日みたいにまた4人で飯行こうと言いたかっただけなんやけどね…」
苦しい言い訳をした。これでは真人に合わす顔がない…
「せや、今からうちとご飯行かん?」
「ええよ。」
彩はみるきーとご飯を食べに行った。一方…
「もう収録は終わった筈やのに…彩やらかしたか?」
なかなか恵が来ないので、真人はイライラした。彩に連絡するか、それとも自分で探しに行くか?
「まあいい…今日のとこは一先ず…」
諦めて帰ろうとしたその時…
「やっぱいた。」
メインが来た。
「さや姉はいないんや…」
「けいっち何の用?」
「さや姉がいなくてよかったわ…真人さん…私の質問に正直に答えてな?」
(やはりな…)
真人の勘は的中した。
「さや姉とあの日何してたん?」
「知ってどうする?」
「やっぱなんかしてたんやね?」
「まあな…」
「私ね…見たんや…真人さんとさや姉がエッチしてたの…信じれんかった…あのさや姉がエッチするなんて…」
真人たちは全く気づかなかったが、恵は目撃してしまったようだ。
「で?話は終わりか?」
「反省してる?もしメンバーにバレたらどうすんの?さや姉1人に責任負わすの?」
「見たのはお前だけだろ?」
「呆れた…ちっとも反省する気ないね…表はいい顔しといて裏では最低なことしてんだね…秋元先生に言うからね…」
「言ってどうする?」
「すぐにさや姉からのマネージャーを辞めさせるに決まってんじゃん!」
「ほぉ…『決まった』みたいに言ってるが、残念ながらこれは秋元先生から言われてるんだよねこれが…」
「平気で嘘つくんだ?秋元先生本人に聞いてもいいんだね?」
「勝手にしろ。」
恵は息が荒くなっていた。こんな怒り狂った恵を見たのは恐らく初めてだ。だが、真人はちっとも思わない…
「もしもし秋元先生?」
…………………
「えっ…あ…そうだったん…いや…あの…ごめんなさい…失礼します…」
「嘘ついてたか?」
「いや…」
「秋元先生何て言ってた?」
「『真人君にそう頼んだんだ。』って…」
「ったく…先生に恥かかすなよ!」
「でも…私はさや姉のためを思って…」
「俺はメンバーから嫌われる覚悟で引き受けたんだ。ファンからも最低なマネージャーだって思われてもいいと思って引き受けた。」
「そうだったんですか…」
恵は何故か申し訳なく思った。真人がこんな重い罪をわざと背負ってまでこんなことしてるとは思わなかった…
「わかったろ?もう帰るからまたな…」
「あの真人さん…」
「何だ今度は?」
「あの…えっと…」
「何もなかったら帰るぞ。」
「私とエッチ…しませんか?」
「!?」
恵の提案に思わず、目を丸くした真人だった。