第2章
01
真人はメンバーから好かれていた。

「さや姉羨ましいわ…」
「何で?」
「だってこんなかっこいい人がマネージャーやもん。」
「そんなことないって、なぁ真人さん。」
「ええ…彩さんのおっしゃるとおりですよ。」
「そうやけどさ…そういえばさや姉今度さ、真人さんとさや姉とみるきーと私でご飯食べに行かん?」
「私はええけど、真人さんいい?」
「別に構いませんよ。」
「よかった。じゃあ詳しいことはまた連絡するわ。」
「わかった、じゃあね。」

真人と彩は早足で楽屋に戻る。

「遅い!」
「山田帰っとればよかったのに…」
「あかん!絶対真人独り占めするから。」
「はいはい…」
「何で2人とも会ったらすぐ喧嘩するかなぁ…」

会えば真人の取り合いで言い争う…真人は呆れていた…

「そういや今度真人さんと私でご飯食べに行くから。」
「だめだよ、うちも行く。」
「悪りぃが菜々、もう無理だ。」
「えー…」
「前私荷物持ちやったし、今度は真人さんと2人きりやからね。」
「尾行しよ〜…」
「警察に訴えるぞ?」
「それは嫌。てかほんま2人きり?」
「ううん…私と真人さんとみるきーとけいっち。」
「4人か…てかまさか真人…」
「そんなつもりないから、むしろ俺は付き添いやから。」
「怪しいな…」
「大丈夫やから心配せんといて。やもんで山田留守番頼むね。」
「はいはい…」
「詳しいことはまた連絡来るらしいでさ、そん時頼むな。」
「はあ…辞めなきゃよかった…」
「不貞腐れた。」
「さ…帰るか?」
「真人は可愛い子に弱いからな…」
「山田はオバちゃんやからな…」
「やかましいわ!」

菜々と彩は決して仲は悪くないが、真人が絡むと何故か喧嘩になる…お互い重要なだけに、喧嘩は避けてほしいといつも願う真人だった。

夜明け前 ( 2016/01/25(月) 14:20 )