第8章
01
そして、真人と山本は昨日の件で秋元に相談しに行った。

「何!?卒業したいだと!?」
「だめですか?」
「確かに俺は山本と真人君の交際は許した。しかし、卒業はOKと言ったつもりはない。」
「僕も言ったんです、卒業はだめなんじゃないかって…」
「まいったな…でも山本、何故卒業したいと思ったんだ?」
「そ…それは…」

山本は真人を見た。だが、真人はわざとそっぽを向いた。

「あの…先生…」
「どうした?」
「実は昨日真人君とその…」
「まさか…」
「すいません…」

実は昨日山本は危険日だったのだ。真人は頭を抱えた。

(マジかよ…だから言ったんだよな…どうしたらいいんだよ…)
「私…久々に真人君と会ったから嬉しくなって…それで真人君に…あげて…それで…」

山本は赤裸々に語った。

「先生…この責任は僕が償うんで…」
「それはいいよ…」
「えっ?」
「俺が真人君に山本の全てを任したんだ。真人君は何もしなくていい。まさかそこまでしてたとは驚いたが、俺としてはむしろ嬉しいよ。」
「先生…じゃあ…」
「山本…真人君と幸せにな…」
「えっ…」
「真人君…山本を頼んだよ。」
「先生…ありがとうございます。」

山本は泣きながらお礼を言った。真人めは泣かなかったが、同じくお礼を言った。

「先生…どうやって…」
「それなら俺が何とかするから真人君たちはもう明日から来なくていいよ。」
「でもメンバーには…」
「俺が伝えておくよ。山本が行くとややこしくなるからな…」
「先生…急ですいませんでした…」
「ううん…真人君…」
「はい。」
「山本との間に子供出来たら、写真送ってくれよ?」
「あ…はい。」
「じゃあな…幸せにな…」


「許されちゃったね…」
「ですね…」
「真人君ごめんな。」
「とんでもない。」
「うちがあんなこと言わんかったら…」

山本は泣いてしまった。真人はそっと抱きしめた。

「ごめんな…」
「泣かないでください…ずっと一緒ですから…」
「うん…ねぇ真人君…」
「何ですか?」
「今日しよ?」
「えっ…さすがに今日は…」
「だめ?」
「う…可愛すぎ…」
「あはは…まあ帰ろっか…」

真人と山本は手を繋いで帰って行った。

夜明け前 ( 2015/12/20(日) 07:28 )