第7章
02
「えっ…ええ!?」

なんと山本は浴槽に浸かったまま寝ていた。東京から今日帰ってきたから、疲れが取れきってないのだろう…

(こんな無防備な彩さんを初めて見た…)

真人が風呂場のドアを閉めようとしたとき、運悪く山本が目を覚ました。

「ちょ…真人君何してん?」
「えっ…いやその…」
「まさか覗き?」
「ち…違いますよ。あまりに遅いんで見に来たんですよ…まあ疑われても仕方ないですけど…」
「そうやった。つい気持ちよすぎて寝てもうたんや。真人君ごめんな、なあ一緒に入らへん?」
「えっ…いいですよ…後で入りますから…」
「お願い…」
「しかし…」

真人は断ろうとしたが…

(だめだ…断れん…)

一緒に入ることに…

「真人君ってえう体やな…」
「そんなことないですよ…」
「羨ましいわ…」
「彩さんに褒めてもらえるとちょっと恥ずかしいです…」
「何でや…でも、男の人と一緒に入るの初めてだな…」
「普通一緒に入らないですからね…」
「せやね…」

とはいえ、お互い何もタオルとかで隠していない…話が終わるとお互い顔を逸らす。

(彩さんやっぱりスタイルええな…あかんあかん何考えてんねん。落ち着け落ち着け…)
(何か真人君のあそこおっきいな…これがうちの中に…って何考えてんねんうち…)

やがて山本が口を開いた。

「真人君…」
「は…はい…」
「あの…そのえっと…」
「どうしました?」
「えっと…その真人君の…その…あ…あそこが…」
「えっ…あ…いやこれは…」

真人は恥ずかしくなり手で隠した。真人は風呂場から出ようとした。だが…

「待って…」
「えっ…ちょ彩さん…」
「見せて…」
「いやだめですって…」
「山田とはしたんやろ?」
「えっ…まあはい…」
「うちはあかんの?」
「だって彩さん…その…初めてじゃないですか?」
「真人君にあげたいの…うちの初めて…」
「彩さん…」
「お願い…真人君…うちとしよ?」
「うーん…」

こんなに頼んでるのに断れる筈がない…

(確かに秋元先生に言われてた…『山本は男性経験がない。』って…でもな…どうしよ…)
「真人君…やっぱりあかんの?」

山本は今にも泣きそうだ。

「わかりました。でも、みんなに内緒ですよ?」
「うん。ここでする?」
「どこでもいいですよ…」
「真人君…優しくしてね…」
「はい。」

真人は山本の唇にキスをした。

夜明け前 ( 2015/12/18(金) 21:21 )