第4章
04
帰り…

「真人君。」
「彩さん、今日は朝に会ったぐらいで…」
「ほんまやな。」
「それで明日東京でしたよね?」
「秋元先生に聞いたん?」
「秋元先生に呼ばれましてね。」
「そうなんや、しばらくうちに会えんからって泣かんといてや。」
「馬鹿にしないでください。むしろ彩さんが泣くんじゃないですか?」
「うちは絶対無いし。」
「どうですかね…」
「ふぅ〜ん…真人君もそんな口調になったんやね…」
「えっ…」
「この前のUFOキャッチャーの件、忘れてないからね。」
「いや…それは…」
「帰って来た時には、さぞかし上達してるんやろね?」
「ちょっと彩さん…」
「楽しみにしてるわ…」
「はあ…」
「じゃあ東京から帰って来たら…」
「また…」


「怖かった…」

山本のあの口調にちょっと怯えた真人であった。一方山本は…

「真人君にもあんな一面あるんやな…」

どこか嬉しそうな表情をして帰って行った。

■筆者メッセージ
次回から真人メインのお話の予定です。
夜明け前 ( 2015/12/10(木) 18:21 )