03
山本は秋元の部屋にやって来た。
コンコン
「誰だ?」
「山本です。」
「お…おお、まあ入りな。」
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「どうした?」
「あの…折り入って相談が…」
「何だ?」
「あの実は私…片思いの人がいまして…」
「ああ…それなら今朝真人君が話してたぞ。」
「えっ?真人君が?」
「ああ。俺が山本の最近の状態を聞いてたら、そんな話になってな。」
「そうだったんですか…」
「ひょっとして相談ってのは真人君に言うか言わないかか?」
「えっ…何でそれを…」
「やっぱりか…」
「そうなんです…私どうしたらいいかわからなくて…それで秋元先生に相談しようと思って…」
「なるほどな…」
秋元は考え始めた。
(うちとしては真人君に思いを伝えたいんやけど、掟を破りたないからな…秋元先生が何て言うかやな…)
「うーん…俺が思うに…」
「はい…」
「言ってみたらどうだ?」
「えっ…でも…」
「まあ確かに恋愛禁止だから難しいが…でも、このまま伝えずじまいもきつくないか?」
「まあそれは…」
「だから、言ってみたらいいと思う。んでもし、いいなら特別に許す。」
「いいんですか?」
「ああ。ただし、バレないようにな。」
「わかりました。」
「言うか言わないかは自分で決めな。あ、それから明日から東京に行ってくれないか?」
「真人君とですか?」
「山本だけで行って欲しいんだ。真人君にはしばらく休暇を取ってあげたいんだ。」
「わかりました。」
「なら、明日は東京で、真人君の件は自分でな。じゃあ明日頼んだよ。」
「はい。」
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(伝えるか伝えないかは帰ってからにしよ。)
山本は秋元の部屋を出て行った。