第4章
01
翌日、真人と山本は仕事現場へ向かった。現場に着くと入り口前に秋元が立っていた。

「秋元先生おはようございます。」
「やあ真人君、仕事にはだいぶ慣れたかい?」
「大体は…」
「そっか。山本、メンバーがちょくちょく集まってるから、そこに向かいなさい。」
「わかりました。真人君またね。」
「じゃあ…」

山本を見送ると…

「じゃあ、真人君僕の部屋に来てくれないか?」
「わかりました。」


「どうだ、山本の最近の状態は?」
「状態ですか…まあ至って変わらないですけど、唯一気になったのは彩さんが今片思い中ということですかね…」
「山本が片思い?」
「ええ…」
「そっか…誰だとは聞いてないのか?」
「ええ…聞くとまずいかなって…」
「うーん…なんか思い当たることはないかい?」
「いやーないですね。」
「そっか…」
「それくらいですかね…」
「真人君…僕の勝手な予想だが、山本の片思いの相手は真人君じゃないかな?」
「えっ?」

真人は思わず耳を疑った。

夜明け前 ( 2015/12/09(水) 19:50 )