第1章
03
「……………」
「真人さん?何してんの?」
「えっ…いや何もすることないんで…」
「そこに立ってたら邪魔やで。ここに立っときな。」
「あ…はい。」

真人は山本の楽屋でただ立ち尽くすだけだった。

「真人君?いるかい?」
「あ…はい。何でしょう?」

真人は一旦楽屋に出た。

「どうだい?」
「いやー…特に何もすることないんで、ただ立ち尽くしてるだけですね今は…」
「そっか。山本とは少し距離縮まったかい?」
「そうですね…まだちょっと山本さんがちょっと非難してる気がしますね…」
「そうなのかい?」
「実はですね…」

真人は朝の出来事を話した。

「なるほどな、真人君の聞き間違いか…」
「もういるかと思ったんですけどね…」
「ははは…恥をかいたスタートだったね。」
「ですね。」
「えっと、あそうそう。明日曲のレコーディングがあるからというのを山本に伝えといてくれ。頼んだよ。」
「あ…はい。」
「じゃ、頑張ってくれよ。後、昨日言ったこと忘れないでくれよ?」
「はあ…」
(あの一言一体どういう意味だったんだろう…まあゆっくり考えるとして、山本さんに伝えないと…)

真人はすぐに山本の楽屋に戻って行った。

夜明け前 ( 2015/12/05(土) 13:51 )