01
コンコンコン
「どうぞ、入りたまえ。」
「あ…はい失礼します…」
どこか緊張している面持ちの男佐藤真人、真人が呼ばれたのは秋元康の部屋だった。
「秋元先生…あのお話とは…」
「まあまあ真人君そんなに固くならなくていいから…」
「ははは…すいません。」
真人は真面目すぎてスタッフから何事にも真面目すぎて固すぎというので評判だ。
「それで話というのは他でもない。実は君に専属マネージャーをしてもらいたい。」
「えっ…僕がですか?」
真人はマネージャーの付き添いをこれまでしていたが、専属マネージャーは初めてだった。
「それで僕の担当は…」
「山本だ。」
「山本って…山本彩さんですか?」
「そうだ。」
真人は山本が推しメンだったので嬉しかった。まさか推しメンのマネージャーをするとは夢にも思わなかっただろう…
「僕が山本さんの…わかりました。」
「頼んだよ。」
「はい。では僕はこれで…」
「あー、ちょっと待ってくれ。」
「はい、何でしょう?」
「山本は男性経験がないからよろしくな。じゃ後は頼んだよ。」
「あ…はい。」
真人は部屋を出た後、秋元康の一言に疑問を抱いた。
(『男性経験がないから』って言ってたけど、何のことだ?まさかね…あんなことしたら間違いなくだよな…あの話はいいや。さ、明日から頑張ろうと。)
真人は軽くガッツポーズをすると、家へ帰って行った。