携帯紛失事件
飛鳥「じゃあ明日は入学式だから、みんな遅れないようにね。」
『はーい。』
飛鳥「と・く・に!小林くん!転入初日から遅刻してるんだから、釘を刺しとくからね。」
海斗「す、すいません。気をつけます…」
保乃「えっ、小林くん遅刻してたんだ笑」
玲「だから朝の挨拶も遅れたんだね笑」
海斗「すいませんでした…」
帰りの挨拶が終わり、昇降口で靴を履き替えていると、女の子から声をかけられた。
???「あの、こんにちは。」
海斗「ん…?あー、君は購買の時の。」
話しかけてきたのは、購買の時に弁当を譲った子だった。
???「はい。森田ひかるです。」
海斗「俺は、小林海斗です。今日転入してきたばっかです。」
ひかる「君が噂の転入生か!」
海斗「噂になってたんだ…。で、どうしたの?」
ひかる「あの、ちゃんとお礼言ってなかったから。」
海斗「そんなの気にしなくていいのに。メンチカツ弁当美味しかった?」
ひかる「めっちゃ美味しかったです!」
海斗「それはよかった。今度は俺が手に入れるからね!じゃ!また!」
ひかる「あっ!ちょっと待って!」
海斗「ん?どうしたの?」
ひかる「今度ちゃんとお礼がしたいから、連絡先教えてくれない?」
海斗「そんなのいいのに…」
ひかる「だめ!お礼させて!そうしないと気が済まないから…」
森田さんに圧倒されて、結局俺は押し負けた。
海斗「うーん。わかった。じゃあお言葉に甘えます。ちょっと待ってね…」
俺は携帯を取り出そうとしたが、ポケットの中にも、鞄の中にもどこにも無かった。
海斗「あれ…おかしいな…どこにやっちゃったんだろう。」
ひかる「どうしたの?」
海斗「携帯が見当たらないんだ。」
ひかる「えっ、どこかに落としたの?」
今日一日中、目まぐるしく生活を送っていたため、携帯のことを忘れていた。
海斗「家から出る時は持ってたんだけど…」
ひかる「番号は!?かけてあげるから!」
海斗「あっ、えっと、080-……」
森田さんの携帯で、俺の携帯にかけてもらった。
呼び出し音が3回ほど鳴ってから、携帯を持っている人が電話に出た。
???「もしもし。」
海斗「あっ!すいません!その携帯を落とした本人なんですけど…」
???「あ…すいません、勝手に拾っちゃって、いつ渡そうかと思ってて。」
海斗「すぐ取りに行くんで、場所指定してくれますか?」
???「じゃあ、朝に来てた大きい桜の木の下で。」
海斗「わかりました!すぐ向かいます!お手数かけてごめんなさい。」
電話が切れると、俺はダッシュで桜の木に向かった。
海斗「森田さん!携帯にかけてくれてありがとう!」
ひかる「あっ!ちょっと待ってよ!」
森田さんも俺の後を追いかけてきた。
ん…待てよ。朝に来てたって知ってることは、あの女の子が拾ったのかな…