エースは俺 - 第4章【CL編】
54話
「1対3か。この時間帯の追加点はシティにとっては悪夢やな。」

「少なくとも修二は諦めてないだろ。見ろよあの顔」

蒼の言葉で修二を見ると悪夢を見る顔にはとても見えない。それどころかこれから楽しい事が待っているかのような笑顔で神のことを見ていた。

「修二、笑ってる。よし!うちらも応援するで!」

「七瀬が言うなら仕方ない。」

「拓真は素直じゃないね〜」

「うるせえ!翔太も声出せよ!いつものクールは捨ててけ!」

「当然!」

修二に応援は届くのか!

ピッチでは

「いやー、やられたな。」

「5人抜きなんて人間じゃないな。」

「あんなの俺でも出来ますよ」

いたずらな笑顔でそう言うとアグエロとデブライネは笑いだし「じゃあ見せてもらおうか!」そう言ってポジションについた

自陣の低い位置からパスを回しシティのリズムを作り出す4FWはジリジリと裏パスを狙うもバルサも気付いて裏にスペースを与えないようディフェンスラインを低く保つ。すると修二がボールを貰いに中盤の広大なスペースに入るとパスを貰う。
圧巻だった。前を向くきビダルが寄せに来るとダブルタッチで抜け出す。

「1人目。」

カバーに入るブスケツの腰付近へボールを浮かし逆を突き急な方向転換で足がもつれてブスケツが倒れる

「2人目。」

中盤に居たメッシが寄せるとエラシコで神の股を抜きメッシもやられたと言う顔で上を見る。

「3人目。」

アルバが修二の斜め後ろからファール覚悟のスライディングで止めようとするも後ろを見ること無くボールと共に急停止しアルバが過ぎるのを確認してまたドリブルを始める。

「4人目。」

最後の砦のピケもファール覚悟でスライディングしながら手を服に掛けようと伸ばすもその手すら払い抜け出すもタッチが大きくなりペナルティエリアの角度の無い所でキーパーと1対1。

「5人目。」

テア・シュテーゲンもパスを警戒したのだろう。股を抜きそのままボールはゴールへ転がって行った。

後半25分に2対3になる。だがこの1点はシティにとってまだ足りない。こんなモノじゃ終わらない。そう言いたげに修二の頭を乱暴に触りながらダッシュで自陣へ戻りリスタートを早めた。



東魁 ( 2020/09/28(月) 09:05 )