32話
「ひ、久しぶり。」
声が震えていた。それもそうだ俺があんな事言って消えてしまったのだから。
「七瀬。俺は七瀬の隣にいる資格無いよな。」
「そーやな。世界一になるって言って大事な決勝戦で一発レッドで退場。慰めよう思って電話したら怒鳴り散らかす。ホンマに何歳やねん。オマケにその彼女に黙って単身ブラジル?ウチがどんだけ心配したと思ってんねん!」
「ご、ごめん。」
「でも。また修二のサッカー見られるんよな?」
「あぁ、俺にはサッカーしかないからな。七瀬、俺がシティを初のチャンピオンズリーグ優勝に導く。そしたら文字通り世界一だ。その時は俺と…」
「うん。次黙ってどっか行ったら〆殺すから覚悟しとき!」
「やっぱ七瀬はおっかないな。だけどもう何処かに行ったりしないから。一緒に住もう。」
久々の再会、仲直り、全てが丸く収まる。
「それは嫌や」
訳ではなかった。
「へ?」
「だから、嫌や。ウチ今フランスの師匠の家で住み込みで勉強してんねん。でもサッカーは見れる。だからワクワクするサッカー観してな!」
「おう!」
「よし、歓迎パーティの続きだ。修二!今日は寝れると思うな!」
「いや、シルバさん明後日試合っすよ!」
「監督命令だ。今日は許す!」
「「「よっしゃー!」」」
ホントにとんでもないチームだ。自然と楽しくなってしまうな。
修二の歓迎会は日が昇るまで続きみんな寝不足で望んだ練習は戦術確認とミーティングで終わり、試合へ望んだ。