24話【過去編】
時計を戻してU-15ワールドカップ。修二、悠人、蒼、渡辺、W松井が13歳にして6人が選ばれた前代未聞の世代
「設楽監督!去年の指原1人でも異例の13歳で選ばれたんですよ!なぜ今年は6人に増えてるんですか!!」
設楽監督の手にある資料を指をさしながら白米様が言った
(設楽統、後に日本代表の監督になる男、今はU-15代表とクラブの監督を併用している
J3の解散寸前だったチームをたった3年でJ1への昇格戦まで導いた凄腕監督、現役時代は日本代表として日村と共に日本を初のベスト16に導いた、クラブはACミランでMFとしてアシスト王を2度受賞した。異名は得意の頭脳戦で敵を圧倒していくことから、『皇帝(カイザー)』だったそうだ)
「日村さん、固いこと言わないでよ、彼らの世代は才能の宝庫だよ?ホントは後2人入れたかったんだけど…これでも妥協したんだから〜」
(日村勇紀、後に日本代表のコーチになる男、今はU-15代表と設楽監督と同じクラブでコーチをしている
J3のゴールキーパーを日本代表の正ゴールキーパーまで育てた手腕の持ち主、現役時代はGKとしてJ1デビューしてから20年間ベストイレブンに選出された、異名は海外チームの誘いを幾度も断り、Jリーグの発展に力を尽くした事から、『ミスターJリーグ』と呼ばれている)
「日村コーチって言ってください!ってか、後2人も入れようとしたんですか!?」
監督は残念そうに、
「アンカーの生田くんは自分にはまだ早いですって13歳とは思えない返答が返ってきて、キーパーの秋元くんは正ゴールキーパーだと思ったら呼んでくださいだってよ?俺が13歳だったらはしゃいで喜んで行きます!って言うけどな〜」
「最近の子は冷めてるんですかね。」
ついさっきまで残念そうな顔をしていた監督は、ワクワクしている子供のように変わり
「でも、直接見るまではなんとも言えないが資料や映像を見る限り、橋本くん、松村くん、白石くんはスタメンで使おうかな〜」
監督の変わり様に呆れたのか力のない声で
「去年も指原くんの時に同じこと言ってましたよ…」
「あれ?そうだっけ?」
「負けたら責任は監督がとるんですよ!」
「その時は日村さんと一緒に海外のチームに行くよ」
「俺もかよ!」
設楽監督は小声で
「でも勝てば、日本代表の監督になれるんだろうな〜」
U-15代表選手招集日、
「コーチの日村だ!よろしく!
ここに集まったのは日の丸を背負う覚悟のある若き才能の持ち主達、つまり君達はこれから世界と戦うために集まった精鋭だ。
長くて2ヶ月、もしかしたら来月の初戦で日本へ帰ってくるかもしれない。だがこのチームなら勝てる、そう自信を持ってこの世界大会に挑んで欲しい!
では監督、挨拶をお願いします。」
「えー、U-15日本代表の指揮をとることになった設楽です。全部日村さんが言っちゃうから言うことなくなっちゃったけど、よろしく!んじゃ、来月の初戦に向けて練習しようか」
設楽監督の練習はどSのメニューだった
だがこの練習の成果か、アジア予選を無敗の1位で勝ち抜いた
ニヤニヤしながら監督が
「日村さ〜ん、勝ったね〜」
同じように日村コーチも
「いやー、やりましたね〜ネットの書き込みもすごいことになってるし、このまま世界一も取っちゃいましょう!」
監督は疑問一杯の顔で
「え、何かあったの?」
「代表発表の日すごかったんだから!なんで13歳のまだ体の出来てない選手なんだ!ってね、でもここ最近の書き込みは日本の黄金期なんて言われちゃってるからね」
そしてU-15ワールドカップが終わり、日本は見事優勝を手にした。MVPと得点王を獲得した橋本、アシスト王と最多チャンス創出数の松村、最多のクリア数とボール奪取数の白石の三人は大会ベストイレブンに選ばれ、そのまま各ビッグクラブからの誘いを受け今に至る。