22話
「だーーーーー!負けてもうた!」
「悠人!俺の勝ちやで〜」
「エセ関西弁やめろや!まー、負けたもんはしゃーないな。決勝頑張れよ」
「あぁ、約束もあるからな」
「青春やな〜」
「まぁな!この後みんなと飯行くけど来るか?」
「お、もちろんや!参加させてもらうで!でも、その前に翔太の試合や」
「あぁ、翔太とも戦いてーな。」
修二と悠人はダウンを済ませるとVIP席へ行き翔太の試合開始を待つことにした
「2人ともお疲れ様!」
「出迎えありがとう七瀬」
「何イチャイチャしとんねん
にしてもドえらい数の観客やな」
冷めたように悠人が言うと蒼と拓真が反応した
「まー、この観客のほとんどは『あいつ』が目当てなんだろうな」
「市場価値歴代最高額なんだろ?」
そんな話をしてると選手がポジションに着き、
クラブ・ブルッヘのキックオフで試合が始まる
ホイッスルが鳴りクラブ・ブルッヘのボールから始まると『戦艦の舵取り人』にボールが渡り『赤い悪魔の化身』を中心に低い位置からパスを繰り返している。
相手のユベントスはやりにくいのだろう。右サイドから左へと中央を経由してワイドにピッチを使って攻められている。
オフサイドラインを上げればサイドでうずうずしているウイングが駆け上がるスペースをくれるような物である。だからといってサイドへ人数を割くと中央が薄くなる。かといってプレスをかけようにも、クラブ・ブルッヘのパス回しは2人を中心に速く、そしてサイドチェンジなどのロングボールも混じっている。パスが回り始める前段階から準備していなければディフェンスが取り囲んで防ぐのは難しい。
そんな状況を見たキングはジワジワとアザールとの距離を詰めトラップが大きくなったのを見計らいスピードを一気にトップギアに入れボールをスチール、そのままキングが突破を図る。高い位置のカウンターに焦りが出たのかCBの不本意なスライディングでクラブ・ブルッヘ陣地中央付近でフリーキックになるとキングは強烈な回転のかかったボールをゴールに沈めた。
「この世代屈指のキープ力を持っとるアザールからあんな簡単にボールを奪うか。」
「問題はそのあとのフリーキックだ、キーパーが見送る程外から曲がってくるなんてな。俺でも止めれるかどうか。」
「試合はここからだ、頑張れよ翔太。」
その願いは無情にも届かなかった
アザールと翔太を中心に何とか突破口を探すも、理不尽なまでのキングのサッカーセンスとハルクの強靭なフィジカルの前には無力だった。
6対0
キング3得点2アシスト
ハルク2得点1アシスト
ユベントス勝利