16話
本戦のトーナメントに進めた事もあり、家族招待枠で1選手5人まで呼べる上にホテルなども完備してくれる充実っぷりだった。
招待枠で招待した、父、母、奈々未、飛鳥、七瀬を招待した。
「しゅーうーじー!」
「みんな!久しぶりだな!」
「修二、言ってなかったが日本一おめでとう」
「私達の子供であることが誇らしいわ」
「父ちゃん、母ちゃん、ありがとう。でも俺は次の目標に向かってるから!」
「修二は私の弟なんだから大丈夫!頑張って!」
「お兄ちゃん!ノアンさんのサイン欲しい〜」
「姉ちゃんありがとう。飛鳥の頼みは大会が終わった後頼んでみるよ」
「修二、ホンマに呼んでくれてありがとな!たーくさん声出して応援したるからな!」
「七瀬も頑張ってるらしいからな。俺負けないから!」
みんなと話しているとスフィアさんが声をかけてきた
「修二くんの家族の皆さんかい?」
「はい!みんなをお願いします」
「では、ホテルの方に案内いたします。着いてきてください」
みんなは修二へ頑張れなど激励の言葉をかけスフィアさんに連れられホテルへ向かった
「あの子が修二の言ってた彼女かい?」
「なんだよノアン見てたのか?」
「そりゃ、相棒のパートナーは見たいだろ」
「そういうもんなのかな?」
「ま、どちらにせよ勝とうな。約束してるんだろ?」
「当然」
修二とノアンは全体練習が終わった後も2人でお互いを高め合うための特訓を行なっていた
そして各国の代表クラブとなり、さらにグループリーグを突破した強者の16チームが集う決勝リーグが始まった。
「ここで勝ってこそ意味がある。勝つぞ!」
監督の声に反応するかのように選手一人一人の表情や雰囲気が戦う者のそれになった
「初戦の相手はドイツ代表クラブ、高い得点力を持つゲルト・バウアーと高いボール奪取数を持つ白石蒼を要するドルトムントだ言葉で言うのは簡単だが、ノアンは一列下がりゲルトを止めてくれ。修二は白石をブチ抜け。以上!行ってこい!」
「「「「「おぉ!」」」」」
グラウンドに入りアップ前に体を動かそうとすると威圧感を纏った選手が近付いて来た
「修二、久々だな。連絡くらい返せよ」
彼は白石蒼、整った顔は白石家の遺伝子だろう。日本代表でも女性ファンの4割は蒼のファンだと言われてる。
「お互いそんな暇じゃないから良いだろ」
「相変わらず冷たいな」
「今日はブチ抜くぞ」
「おぉ、全部止めてやるよ
まだお前らには見せてない秘密兵器もあるからな」
ニヤッと笑うとそのまま振り返り自身のチームのアップに戻った
「修二!アップ始めるよ!」
「おう!」(秘密兵器ってなんだろうな)
そう思いながら試合への準備、監督のミーティングを終えポジションに着くと
「修二ーーー!頑張れー!」
「ノアーン頑張れー!」
と聞き慣れた声が聞こえた、七瀬ありがと。って飛鳥は俺じゃなくてノアンかい!と心の中でツッコミながら試合が始まった
「早速観せてやるか。ゲルト!よこせ!」
「いきなりやるのか。燃えてるな蒼!」
ゲルトからバックパスでCBの蒼がトラップするとそのままゲルトが走り出し、蒼からシュートと思えるほどの速く強いグラウンダーの縦パスがゲルトに向けて放たれた。ゲルトも分かっていたように余裕でトラップし一気に最深部にボールを運ばれて焦ったレアルに考える隙を与え無まいと、スピードに乗ったゲルトがそのまま抜け出しキーパーと1対1に
そのまま決められ開始30秒で先制点を取られた
「あいつが言ってた秘密兵器ってこれかよ、やられたな」
「大丈夫!今日の僕にはジャパニーズのレディが応援に来てくれたみたいだから!」
「お、おう」(飛鳥だな)
「それに、こんなパス何回も狙って通せないだろ。多分まだ何かあると思うよ。」
「ま、どちらにせよ俺はゴール決めてくるのが仕事だ。1点2点なんて余裕だ!俺のゴールのお膳立て頼むぜ!」
「オーケーオーケー!さ!取り返すぞー」
リスタートした後ノアンのパスは何度か決定的なチャンスを作るも蒼がそれを阻む
「どーした修二!こんなもんじゃ無いだろ」
「レベル上げたな蒼!」
「修二が日本で遊んでる時俺はトップチームのバケモンとバチバチに戦ってたんだぜ?当然だろ」
「そうか、でも俺も遊んでた訳じゃねーよ!」
修二は足元にボールをもらうとノアンの方に目線を向けると蒼も目線を向けるその瞬間ボールと一緒に蒼の視界から修二が消えた。
そのままキーパーとの一対一に持ち込みゴールネットを揺らした
「修二凄い…」
「お兄ちゃん!ナイスシュート!」
「まいやん反対側のスタンドで悔しがってるんだろうな〜」
「流石修二くんね。あおいー!負けんなー!」