第1章【高校編】
3話
そして次の日、開会式が終わりインターハイ予選第1試合が行われようとしている、ロッカールームに入る乃木高イレブン


「今日の相手は秋葉原高校!県内どころか全国でもあいつら以上はそうそういない、最難関の門出だが余興ならもってこいだ!行くぞ!」

「「「「おう!」」」」

キャプテンの毎回違う言葉とスタメンの声を合図にグラウンドへ向かう

その頃、七瀬、絵梨花、真夏の3人は修二の試合を見に来ていた

「黙って来ちゃったけど、修二大丈夫かな?心配やわ〜…」

「なーちゃん!元気だしなよ!レアルの若獅子って呼ばれてる修二君なら大丈夫だよ!」

「なーちゃんは心配性だな〜修二くんは代表選手だよ?絶対大丈夫だよ!」

「せやな!それよりも初戦なのにこんなに人が来るねんな」

「まー、去年の決勝カードだし、今大会注目選手の修二君が居るからね」

「あ!始まるよ!」


そして、修二の初の公式戦が始まる


ピーッ

乃木高ボールで始まった試合は、秋葉原高の激しいプレスに苦しんでいた。ファーストタッチで中盤に下げると同時に敵のフォワードが突っ込んできた、焦るようにアンカーの翔太にボールを下げてもまだ追ってくる為キックフェイントを入れそのままプレスを振り切り攻撃を組み立てようと前を向くと、修二に3人のマークが付いていた

「俺まだボール持ってないんだけど…」

失笑しながらそう呟くとキャプテンマークを付けたアンカー役の相手選手が

「そりゃ、獅子を閉じ込めるにはこれくらいの檻必要だろうよ」

とニヤっとうまい事言った的な顔で見て来た

「にしては隙間だらけだけどな」

そう言いながら真横に走ると縦に鋭いスルーパスを翔太が入れた

「パスはそっちじゃないぞ!」

余裕のある顔でディフェンスに指示しながらボールへ向かう、すると真横に走り檻から出た獅子が急速に縦への方向転換をしボールへ向かっていた

「な!最初からわかってたのかよ!」

焦る相手選手を他所に日本人離れした俊足でボールへ追いつきあっという間にキーパーと一対一になった

「だから言ったろ?隙間だらけだって」

イタズラな笑顔で前に出て来たキーパーのギリギリ届かない高さのループシュートでゴールを決めた

ピーッ!

高々とホイッスルが鳴ると会場がそれと同時に湧き上がりお祭りのように騒がしくなった

ピッチの中から観客へこれが俺のサッカーだと言わんばかりに指差すと偶然にも黙って試合に来ていた七瀬と目が合った

修二はいつものイタズラな笑顔で自分の胸についている7の番号を逆の手で指差し七瀬へアピールした、そして七瀬はいつもの可愛い笑顔で指を差し返した、それに気付いた絵梨花と真夏は

「修二君絶対なーちゃんの事好きだよね」

「いくちゃんもそう思う?」

「どーしたん?2人とも?」

「ううん!何もないよ!ねー!真夏!」

「う、うん!何もないよ!」

「2人とも変やで?」

絵梨花と真夏は嘘が下手くそのようだ

ピッチの中では観客へアピールし終えた修二がチームメイトに揉みくちゃにされており審判が呆れるように近づき早く戻るよう指示した

「ナイスパスだったぜ翔太!」

「序盤だし、思い切ってやってみただけだよ」

「てことは、たまたまかよ!」

その後も試合は進むも1対0で前半を終えた、点差はないにしても秋葉原高校の顔には余裕はもう無かった




「前半!良い形で攻めきれていないぞ!橋本頼りの攻めになって来ているのはダメだ!ボールを持っていなくても橋本には3人も付いている、後半は橋本は右に少し寄ってプレーしてくれ!空いた左でもう一点取りに行くぞ!」

「「「「おっす!」」」」

監督の指示とは裏腹に攻めきれない乃木高イレブン、そして試合時間が残り10分ちょっとの所で不運にも敵のあげたセンタリングがそのままゴールになり同点になった

「今のは仕方ない!不運な事故だ!」

キャプテンがそう言うも、同点には変わりはなく流れを持っていかれていた

その後10分にも及ぶ秋葉原高校の猛攻が続くもボールが奪えない乃木高イレブン、ロスタイムに入っても流れが完全に持っていかれていると誰もがそう思った瞬間、敵のキャプテンがディフェンスへのバックパスをすると分かっていたかのように修二がパスカットし、そのままセンターサークルを越した所までドリブルし、そこから強烈なロングシュートを放った



東魁 ( 2020/07/13(月) 15:30 )