02
迎えた当日は快晴。
休園日を使っての撮影なので、設備は動いていない中、メンバー達が園内を歩いていく。
小さなシアターや、スタジオなども入っているそこそこ大きなテーマパークだ。
杉山「あーあ、やっぱり今日の水着ビキニだったじゃん・・・予想通りだったなあ」
出演連絡があってからの1週間、メンバー毎にスケジュールの合間でフィッティングを実施していた。
浅井「何かさ、この前学校で測ったときより胸囲が大きくなってたんだよね・・・嫌だなあ」
楽々「いいじゃん!私なんて全然変わってなかったよ」
浅井「えー?だって踊るのに邪魔だし、衣装もキツくなってくるし、いいことないじゃん」
浅井「それにさ、公演とか握手会で胸ばっか見てる人が多くて・・・ほんとイヤらしい」
坂本「あ、それ分かります。目が合わないなーって思うと胸とか太もも見てるんですよね」
水野「いいなあー、その悩み。私なんて見てくれる人いなもん」
太田「そんなことないって!愛理だって可愛いし・・・あれ?少し痩せた?」
水野「もー、先週からほとんど食べてないから、お腹ペコペコ!早く終わらせてご飯食べたい!」
山下(全く、賑やかだな・・・こっちはそんな雰囲気じゃないってのに)
今回は山下だけではなく、部長も含めお偉いさんも同行していて、大人組は騒げる感じではなかった。
そうしている内に撮影現場に到着する。
大きなウォータースライダーなどもあり、毎年若者にも人気のあるプールだ。
ここで撮影のクルーとたいめんする。
山下(気合い入ってるなあ)
かなり本格的な感じで、今回のPRに関する力の入れようが分かった。
山下(ま、お楽しみはこの後だからな・・・)
メンバー達は更衣室へ、支給された水着に着替えに行った。
山下(・・・?何だ?)
しばらくして戻ってくるメンバーの表情が何だか険しく見えた。
愛理「もう!この前のと全然違うんだけど!」
坂本「恥ずかしい・・・」
メンバーが、あまり布面積の広くないビキニ姿で現れる。
坂本は露出が多すぎて恥ずかしいのか、腕で胸元を隠してもじもじしている。
楽々「ねえ山下さん、何とかならないの!?フィッティングの時は、もっと大きな水着だったのに!」
山下(なるほど・・・大体分かった。ここの撮影クルーは、需要が分かってるねえ)
つい山下がにやけてしまう。
山下(このメンバーを選んだのは正解だったな)
山下「これも仕事だから我慢して・・・その内慣れてくるから」
その言葉を聞いて、メンバーも仕事だから・・・と割りきって考えるようにした。
そうして撮影が始まる。
始めは恥じらいからか表情や動きが固かったが、プールの中ではしゃいだりウォータースライダーを滑ったりと色々なシーンを撮っている内に自然な感じになってきていた。
山下(いやいや。改めて見ると、あいつらいい身体してるよなあ・・・これは需要多いわけだ)
撮影が無事終わった。
「お疲れさまでしたー!」
撮影を終えたスタッフが機材を片付けていく。
メンバー達はまだプールに入ったまま、まだ上がってきていない。
杉山「ねえ山下さん!次までまだ時間あるのかな?少し遊んでてもいい?」
山下「ああ、時間になったら教えるよ」
杉山「やった!いつも人ばかりだけど、今日は私達だけ!」
太田「私、またあれやりたい!」
浅井「あ、私も行くー」
太田と浅井が、ウォータースライダーへと向かっていく。
水着への恥じらいも取れて、開放的になってきていた。
SKE事務所のお偉いさんも帰り支度を整えている。
部長「山下君、君はどうするの?」
山下「まだ遊び足りないようなので、僕は彼女達と一緒に帰ります」
部長「そうか、気をつけてな」
しばらくして、撮影クルーも含め、全員園内から退散していった。
山下(ふう・・・やっと終わった)
山下が腕時計を見る。
山下(もう時間かな)
山下「そろそろ次の準備があるから、控え室に戻って」
プールで遊んでいるメンバーに声をかける。
本当は昼間の撮影で終わりなのだが、彼女達にはナイトプールのシーンも撮影すると嘘の連絡をしていて、丸1日スケジュールをおさえていた。
現場のセッティングをすると言い、控え室へと退避させた。
今、園内には山下とメンバー、それと警備員がいるが警備員には金を渡して買収しているので問題ない。
彼女達が控え室に戻っている間に、夜の部の撮影スタッフ、男優を園内に呼び込む。
さすがプロのスタッフ(裏ビデオの世界だが)と言うべきか、機材もしっかり揃えてあり、こちらの要求通り6人のカメラマンを連れてきていた。
山下「よろしくお願いします」
リーダー「あ、どうも。」
リーダー「もうね、SKEが相手だって言ったらうちが抱えてるヤツら興奮しちゃって」
山下「それはありがたい・・・あ、約束は守ってくださいね」
今回撮影したものは、国民的アイドルのそっくりさんとして、目線にモザイクを入れて流通させるように話をしている。
山下「それと、売り上げは50:50で・・・と、終わりましたか。メンバー呼んできます」
セッティングが終わったことを確認し、山下がメンバーを呼びにいった。
控え室を出たメンバーが、現場へと向かっていく。
楽々「・・・あれ、何か人変わってない?」
楽々がすぐ異変に気付く。
太田「ほんとだ・・・昼間と全然違うね」
杉山「何か嫌な予感してきたんだけど・・・」
現場で待機していた男達の前に到着すると、やけにガタイのいい男優が水着姿のメンバーを舐め回すようにして見つめてくる。
浅井「マネージャー・・・これって一体・・・」
山下「さ、夜の部の始まりだ。大人の時間・・・お前達も子供じゃないんだし、これから何をするの分かるよな」
楽々「はぁ・・・そういうこと・・・」
楽々が深い溜め息をつく。
ここにいるメンバーは全員山下の手に堕ちているので、これからどんなことが起きるのかはすぐに分かった。
山下「ここからは、それぞれ別行動だ・・・それじゃ、お願いします」
男優とカメラマンが、それぞれ割り当てられたメンバーの元へと向かっていく。
こうして、夜の部の撮影が始まっていった。