SKE48 裏レッスン










































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14幕 相川暖花
03
コンコン

(いや、まさか、そんなこと……)

「入っていいですか?」

イヤホンをしているのと動揺のため、ノックに全く気付かない。

ガチャ

「入りますね…」

びくっ!!

「え…あ…ほ、暖花ちゃん!?」

「すみません、勝手に入ってしまって…」

「あ、う、大丈夫だよ」

慌てて後ろ手にスマホを隠した

「ど、どうしたの?」

「あの…私気付いてたんです」

「え?何を」

「お風呂場で隠し録りしてませんでした?」

「あ、あの、、、」

急なことで動揺が隠しきれず目が泳いでしまった

「やっぱり……気付いちゃったから、背中向けたんですけど」

「あの…えっと……もしかして、あの2人にもバレてた?」

「ゆうかたんとあゆかは気付いてないみたいですけど」

「そっか…」

「撮ったのを消してください!そうすれば2人には黙ってますから」

(しくじったなぁ…何でバレちゃったんだ…)

ほののが俺をにらみつけている

「暖花ちゃん1人で来たの?他の2人は?」

「2人は先に寝ちゃいました。今なら大丈夫です」

(1人…今なら大丈夫……か)

俺の中に黒い感情が出てきた

「ごめん…」

相手からは見えない位置でスマホを操作する

(消すの勿体ないからコピーして…と)

「これを消せばいいんでしょ?」

目の前で隠し録りを再生する

「……最低……」

ほののがボソッと呟く

俺は動画を目の前で削除した
とは言え、消したのはオリジナルの動画だけでコピーは残っているが

「これで許してくれる?」

「……もうこんなことしないでくださいね」

「うん、本当ごめん」

そう言った後、ほののの前で更にスマホの操作をはじめた

「実は、もう1つ見てもらいたいものがあるんだけど……いいかな」

「??」

ほののが怪訝な顔をするが、気にせずあるWebサイトを開く

そこには例のアダルト動画が映し出されていた

「な、何ですか!!」

ほののが顔を真っ赤にして顔を背ける

「ごめん、でも良く見てもらいたいんだ。誰かに似てる気がしてて…」

音量を最大にして、ほののの顔の前にスマホを持っていく

「えっ、これって、、、うそ、、、?」

ほののも、俺が考えたのと同じ人物が思い浮かんだようだ

「何?これ、何やってんの……ねえ!?」

「……これって、裕華と亜柚香ちゃんだよね?」

「た、多分……なんなの!!?」

少しパニックになっているようだ

「いきなりこんなの見せてごめんね。でも俺も信じられなくて確かめたかったんだ」

「………」

ほののは動画から視線を外せずにいた

「暖花ちゃんは知らなかった?」

「知らない……こんなの知らない……!」

突然涙を流しだした

「あ、ご、ごめん」

妹以外の女の涙を見るのが初めてで動揺してしまった

しかし、いつも見てる動画の影響だろうか、ほののの泣き顔を見ていたらメチャクチャにしてやりたい衝動にかられはじめた

「ぐす……もう嫌だぁ…」

「………」
「暖花ちゃんもこういうことしてみたい?」

「え?な、何言ってるんですか?」

ほののの手を取り、こちらに引っ張ろうとした

「やめてください!!」

ほののが手を振り払おうとする
意外に力が強い

(裕華たちが起きてくると面倒だな)

ほののの口を塞ごうとするが適当なものを探す

(お!ちょうどいいものが)

机に置いていたみかんに手を伸ばし、そのままほののの口の中に詰めた

「んむ…!」

(危ない、危ない……)

「ちょっと静かにしててね…」

みかんを咥えたほののが涙目で睨んでくるが、もう感情を抑えることは出来なさそうだった

ブラック・キャット ( 2019/02/12(火) 15:08 )